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しかし、実際にちょい飲みしてみると、「評価が分かれそう」と感じたのが料金だ。筆者は、生ビールのジョッキにつまみとして好みの惣菜を8種類ほど盛り付けて注文したが、料金は合計879円。それほど高くないと思うかもしれないが、キッチンオリジンの量り売りの惣菜は種類が豊富な一方、100グラム183円は割高感が否めない。実際、物足りなさから追加注文すれば簡単に1000円を超えてしまう。
キッチンオリジンの生ビールと惣菜
加えて、生ビールのジョッキが1杯390円というのも、吉野家の350円、日高屋の310円にくらべて割高感が否めない。仕事帰りの男性が2杯ほど飲んでつまみを注文したら、おそらく会計は1500円近くになるはずだ。キッチンオリジンのちょい飲みは、安さや量ではなく、あくまで栄養バランスを重視する女性向けのサービスといえる。
低コストで参入できる、ちょい飲み市場
そもそも、なぜ持ち帰り弁当チェーンのオリジンがちょい飲みサービスを始めたのだろうか。フードジャーナリストの山路力也氏は、「理由のひとつに、ちょい飲み市場の参入障壁の低さがあります」と語る。
「もともと、オリジン弁当には惣菜などを調理販売する厨房が備わり、イートインを設けるための環境が整っていました。運営母体のオリジン東秀はレストラン事業も展開しているため、店内で料理を提供するノウハウもあったと考えられます」(山路氏)
イートインで利益を上げるために一番有効なのは、酒類の販売だ。利用客が惣菜にビール代などを上乗せしてくれれば、その分客単価も上がる。そして、この「参入障壁の低さ」はオリジンに限ったことではないだろう。ちょい飲みサービスには、店舗の大幅な改装やオリジナルメニューの開発など、従来必要だった投資やコストがほとんど必要ないのである。
「吉野家もガストもミニストップもそれぞれちょい飲みを提供していますが、それぞれの業界で競争が年々激しくなっています。そこで、新たな収益源としてちょい飲みに着目したのでしょう。特に吉野家やミニストップは圧倒的トップシェアの企業ではない分、その意識が強いように思います」(同)
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