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中村芳子「お金のことで苦労せず、人生を楽しむためのお金の基本」

貧困女子たちに「共通の意識」…「一生働き続ける」という感覚のなさ→ずっと低収入で固定

文=中村芳子/アルファアンドアソシエイツ代表、ファイナンシャルプランナー

 収入少なめの真面目女子は、一生懸命節約をして一生懸命お金をためようとしている。でも「お金をためる」というのは、実はあまり効果がない。たとえば、がんばって30歳で500万円つくっても、仕事を失ったら2年くらいで貯金は底をつく。40歳までに1000万円ためても、失業して次の仕事が見つからなかったら4~5年で貯金ゼロになる。

 ためるよりは、働き続けることを目標にする。長い目で見て職場を変わったり、転職や就職に有利な資格をとるために貯金を使うのは賢明だ。5歳年上、10歳年上の働いている女子の先輩にアドバイスを求めるのもいいだろう。

 大切なのは、結婚や出産でいったん仕事を辞めるとしても「一生働き続ける」という意識を持つことだ。

結婚してもしなくても一生働く、で仕事に対する考えや姿勢が変わる

「結婚したら仕事を辞めて養ってもらう」という昭和の時代の考えから、「結婚してもしなくても一生働く」に意識を切り替えると、仕事に対する考えや姿勢が変わってくる。

 収入の額だけでなく、働く環境(気持ち良く長く働き続けられるか)、仕事の内容(楽しめて将来性があるか)などが大切だとわかってくる。これからどう働いていきたいか、真剣に考えるようになる。

 これが、貧困女子にならず、自分の人生を自分の足で歩んでいくための第一歩だ。大切なのは「私なんか」と諦めてしまわないこと。女性の就職を応援する公共のサービスも少しずつ充実してきているので、情報を集めて行動したい。

働く決心で結婚が近くなるかも。シンデレラ・コンプレックスをやっつけろ!

 20~30代の女性に専業主婦願望が強くなっているといわれる。一方で20~30代の男性では、「妻子を養う経済力に自信がないから、結婚したくない、結婚できない」と考える層が増えている。このミスマッチが、未婚率を引き上げているのは間違いないだろう。つまり、専業主婦願望が強い女性は、結婚しにくいというのが現実で、それが実現しても、その後離婚に至ると、貧困女子に陥るリスクが高いことになる。

 逆に、結婚しても養ってもらわないでずっと働き続けるという意識を持つ女性は、男性の経済的&心理的な負担になりにくいから、男性から敬遠されにくいはず。その後、結婚が破綻することになっても、貧困になるリスクはずっと小さいはずだ。

 仕事と結婚に対する意識を変えること、正しい意識を持つことで、貧困女性になるリスクを減らすことができるのだ。

「今の(未婚の)私は仮の姿。間もなく白馬に乗った王子様が救いに来て、お城に連れて行ってくれる。そして、ふたりは結婚して末長く幸福に暮らすのです。めでたし、めでたし」という幻想は、シンデレラコンプレックスと呼ばれる。1981年にアメリカの女性作家、コレット・ダウリングが名付けた。

 貧困女子の原因のひとつが、この幻想だ。女性だけでなく男性も、日本国家も、ぜひこの惑わしから逃れてほしい。明るい未来を築くため、絶対必要なことだ。

 次回は、より具体的に、働くこととお金のことを考えていこう。
(文=中村芳子/アルファアンドアソシエイツ代表、ファイナンシャルプランナー)

中村芳子/アルファアンドアソシエイツ代表、ファイナンシャルプランナー

中村芳子/アルファアンドアソシエイツ代表、ファイナンシャルプランナー

1985年よりFP業に携わる日本のFPの草分け。 女性FP協会(現WAFP関東)の設立者の一人、初代理事長。 1991年に会社を設立。パーソナル・コンサルティング、金融記事の執筆、金融企画のアドバイスなどを行っている。マネックス証券創業時より7年間アドバイザーをつとめる。みずほ銀行の夫婦向けマネーサイト「おうちのおかね」(2010―2016)を監修。辛口だが、お金だけにとらわれないユニークで温かいアドバイスが人気。


主な著書に『50代のいま、やっておくべきお金のこと』『20代のいま、やっておくべきお金のこと』(以上ダイヤモンド社) 『女性が28歳までに知っておきたいお金の貯め方』(三笠書房) などがある。『3日でわかる聖書』『養子でわくわく家族』『神の津波』など、お金以外の著書や翻訳もある。

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