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中村芳子「お金のことで苦労せず、人生を楽しむためのお金の基本」

貧困女子たちに「共通の意識」…「一生働き続ける」という感覚のなさ→ずっと低収入で固定

文=中村芳子/アルファアンドアソシエイツ代表、ファイナンシャルプランナー

【ケース1:結婚しない】

 結婚して仕事を辞めるはずが、彼氏と別れたとか、不倫してしまったとか、よい男性にめぐり会えないとかで、結婚に至らないことはよくある。ところが、仕事はつまらない上に給料は安くて上がらないとなると、自立できないまま親元暮らしを続けるか、無理にひとり暮らしをすると、生活するのがやっとという生活になる。厳しい。

 給料が低いと貯金ができない、家も買えない。将来の年金も少ない。老後も不安だ。アルバイトや派遣社員だと、年齢が上がると仕事を続けるのが難しくなる。何かの拍子に失業したり退職すると、次の仕事がなかなか見つからないこともある。

【ケース2:結婚した後に離婚】

 結婚して子どもが生まれたら家庭に入るもの、それが女性の生き方と考える人も少なくない。

 ところが、いまや結婚したカップルの3組に1組が離婚する時代。性格の不一致、浮気、ドメスティックバイオレンス、お金のことなど、原因はいろいろである。

 十分な仕事の経験がないまま専業主婦になった女性は、離婚するとすぐに経済危機に直面する。離婚後、養育費や生活費を払わなくなる離婚夫も多い。

 子どもを引き取ってシングルマザーになると、なおさら就職するのが難しい。正社員の仕事は少ない。やっと見つけた仕事は、時給の安いパートの仕事。仕方なく掛け持ちする。長時間働いても、一般家庭の半分以下の収入しか得られないシングルマザー家庭は多い。

 少し話がそれるが、日本の税制や社会保障制度は、いわゆるパート主婦を不公平に優遇する仕組みで、それが長く女性の収入を低く抑え、キャリアアップを阻んでいる。2016年12月に、配偶者控除を103万円から150万円に引き上げる案(税制改正大綱)が発表されたたが、これも女性の収入を年150万円以内に抑える、フルタイムで働くことを阻害する圧力となって働き続ける。OECD(経済協力開発機構)も以前から警鐘をならしているのだが。

貧困にならないためには働き続けること。働き続けられる仕事に就くこと

 では、貧困女子にならないためには、どうしたらいいだろう。

中村芳子/アルファアンドアソシエイツ代表、ファイナンシャルプランナー

中村芳子/アルファアンドアソシエイツ代表、ファイナンシャルプランナー

1985年よりFP業に携わる日本のFPの草分け。 女性FP協会(現WAFP関東)の設立者の一人、初代理事長。 1991年に会社を設立。パーソナル・コンサルティング、金融記事の執筆、金融企画のアドバイスなどを行っている。マネックス証券創業時より7年間アドバイザーをつとめる。みずほ銀行の夫婦向けマネーサイト「おうちのおかね」(2010―2016)を監修。辛口だが、お金だけにとらわれないユニークで温かいアドバイスが人気。


主な著書に『50代のいま、やっておくべきお金のこと』『20代のいま、やっておくべきお金のこと』(以上ダイヤモンド社) 『女性が28歳までに知っておきたいお金の貯め方』(三笠書房) などがある。『3日でわかる聖書』『養子でわくわく家族』『神の津波』など、お金以外の著書や翻訳もある。

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