かつて回転寿司チェーンで業界1位だった「かっぱ寿司」の業績不振が叫ばれるようになって久しい。
2013年2月期から3期連続で最終赤字を計上、14年に親会社のカッパ・クリエイトがコロワイドに買収されて以来、事業の立て直しを図っているものの、17年3月期も最終赤字に転落した。業界ナンバー1の奪取は叶わないどころか、「スシロー」「くら寿司」「はま寿司」など競合店の後塵を拝している状況だ。
そんななか、かっぱ寿司が起死回生の一手として投じたキャンペーンが、大きな話題を集めている。期間(6月13日~7月14日の平日14~17時)と店舗(全国20店)を限定した70分間の「食べ放題」である。
料金は、男性1580円(税抜き、以下同)、女性1380円、65歳以上980円、小学生780円、小学生未満無料。寿司以外にも、サイドメニューやデザートなど計80種以上が対象となっており、ドリンクバーも付いてくる。
大とろやほたては対象外、レーンに皿がまばら?
そこで、筆者(20代男性)は6月16日(金)に、実施店のひとつである埼玉県の蕨店を訪ねた。「最大10時間以上待ち」とも報じられていたため、整理券を手に入れるべく、開店時間の11時すぎに足を運んだ。
店員に食べ放題希望であることを伝えると、整理券の配布は13時からのため、それまでは店先で並んでほしいとのこと。筆者が到着した時点で、食べ放題目的で並んでいた客は2組。約2時間の間、店先で待ち続け、13時に整理券を受け取ることができた。
その間、筆者の後ろに並ぶ人は次第に増えていき、13時の整理券配布の段階では約60人が長蛇の列をなしていた。平日の午後とあって、主婦とおぼしき中年女性の団体や年配の客が多かったが、なかには学生らしき若者や会社員と思われる男性の姿もあった。
11時から並んだかいがあり、14時に食べ放題をスタートすることができた。最初に、店員からシステムについて簡単な説明を受け、食べ放題対象外のメニュー一覧を渡される。対象外は、極上中とろ、極上大とろ、赤えび、ノルウェーサーモン、ほたて、といった高級食材を使用したものだ。少々残念な気もしたが、食べ放題というサービスの特性上、致し方ないのだろう。
さっそく食べ始めようとするも、最初のうちはレーンに流れている皿はまばら。しかし、しばらくすると、食べ放題用に厨房をフル稼働させたのか、続々とレーンに皿が流れてくるようになった。
もちろん、好きな寿司を個別に注文することもできる。一度に最大4皿まで頼めるため、まぐろ、はまち、しめさば、甘えびを注文。しばらく待つと、注文した4皿が到着した。時間にして、3分少々だ。
注文から到着までは5分ほどかかることもあり、70分という制限時間を考えると、やきもきさせられることも。筆者は途中から、注文した皿が届く前に次の注文をすることで食べるスピードを落とさずにすんだが、律儀に注文した皿が届いてから次の注文をするという方法では、効率がダウンしてしまうだろう。