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筈井利人「一刀両断エコノミクス」

米トランプ政権のパリ協定離脱は正しい…地球温暖化論は間違っている可能性

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トランプ米大統領、パリ協定離脱を表明(Abaca/アフロ)

 米トランプ政権が6月、気候変動対策の国際的枠組みである「パリ協定」から離脱すると表明し、「人類の未来に対する背信行為」(毎日新聞社説)などと非難を浴びている。米国内でも一部の保守系メディアを除き、批判が多い。ニューヨーク・タイムズは「同盟国を動揺させ、ビジネス界に背き、競争力や雇用を脅かし、米国のリーダーシップを無駄にする」などと論じた。

 しかし、これらの批判は本当に正しいのだろうか。
 
 多くのメディアでは「温暖化はでっち上げ」というトランプ大統領の発言を「非科学的」と切り捨て、「温暖化の進行は、科学的知見に基づく国際社会の共通認識」(前出・毎日新聞社説)と強調する。地球温暖化に関する主流派の主張によれば、温暖化は水資源の不足や穀物生産の減少などで人間の生存や地球の生態系に悪影響をもたらし、途上国での貧困拡大や地域紛争につながる危険もあるとされる。

 だが、この主張にはさまざまな懐疑論が唱えられている。「そもそも気温は上昇していない」「温暖化の原因は人為的な温室効果ガスの増加ではなく、自然の活動」「なぜ数十年以上も先の気候が正しく予測できるのか」――などだ。

 懐疑論のなかには誤りもあるかもしれないが、すべてを「非科学的」と決めつけるのは乱暴に思える。4月3日に配信された日本経済新聞の記事は「人為的な二酸化炭素の排出を気候変動の主因とする温暖化論はいまだ仮説の域を出ていない」と冷静に述べている。

 筆者は科学の専門家ではないので、地球温暖化に関する主流派の主張が正しいかどうかこれ以上議論するつもりはない。しかし間違いなくいえるのは、もしかりに主流派の主張が正しいとしても、パリ協定を支持しなければならない理由にはならないということだ。

 なぜなら、パリ協定は科学研究の結果だけを述べた論文ではなく、特定の政策を実行するよう求めた政治文書だからである。科学と政治は違う。別々の独立した問題だ。
 
 同協定には、「すべての国に削減目標の作成と提出、5年ごとに現状より向上させる見直しを義務づける」「先進国に途上国支援の資金拠出を義務づける」「先進国は現在の約束よりも多い額を途上国に拠出する」といった義務が盛り込まれている。

 地球温暖化は正しいと主張する科学者の多くは、当然のようにパリ協定を支持する。同協定が義務づける政策によって、人間や環境への悪影響が防げると信じているからだ。しかし科学者は科学の専門家ではあっても、経済や政治の専門家ではない。パリ協定の政策が正しいかどうかは、経済や法の原理に照らして考えなければならない。

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