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【ワシントン時事】国際通貨基金(IMF)アジア太平洋局のルパ・ダタグプタ副局長は20日までに時事通信のインタビューに応じ、円安は日本経済に「全般的にはプラスの影響がある」との見方を示した。日銀の金融政策に関しては「極めて緩やか」な利上げを予想した。
米連邦準備制度理事会(FRB)の大幅利上げを受け、外国為替市場では円安・ドル高が進行。最近のFRB利下げ観測後退で円安は加速し、日本政府・日銀による為替介入への警戒感が高まっている。
ダタグプタ氏は、円安には競争力向上による純輸出増や、企業の海外収入増といったプラス効果の半面、輸入物価の上昇による消費の圧迫というマイナス効果があると分析。「円は2年前と比べて大幅に下がったが、影響は正味では若干プラスだ」と述べた。
日銀がマイナス金利解除など金融政策の正常化を進めたことに関しては、「歴史的な動きだったが、非常にスムーズに行われた」と評価。緩やかな金利上昇が見込まれる中、賃金上昇を受けた底堅い消費が日本の経済成長を支えると見通した。
インフレ率については、来年にかけて日銀目標の2%程度で安定的に推移すると予測。ただ、上振れと下振れの両リスクがあるとし、日銀の政策運営は「経済指標次第」とするよう訴えた。
円だけでなく、アジア諸国の通貨も対ドルで下落している。ダタグプタ氏は、アジア諸国のインフレが比較的抑制され、政策金利も米国などより低く抑えられたことが背景と説明した。
その上で、アジア各国の中銀に対し、金融政策運営ではFRBの動きに追随するのではなく、「国内の経済状況やファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)に一層注目する」ことを促した。 (了)
(記事提供元=時事通信社)
(2024/04/20-10:12)
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