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家計や企業への影響は?=日銀が17年ぶり利上げ―ニュースを探るQ&A

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金融政策変更点のポイント

 日銀が、マイナス金利政策など大規模金融緩和策の見直しを決めた。17年ぶりの利上げで、預金や住宅ローン、企業の借り入れはどのような影響を受けるのだろうか。

―どう見直したのか。
 日銀は2016年、民間金融機関が日銀に預ける当座預金の一部にマイナス0.1%を課すマイナス金利政策に加え、長短金利を低く抑え込むイールドカーブ・コントロール(YCC)を採用。日銀は18、19両日の金融政策決定会合で、マイナス金利解除とYCC撤廃を決定した。10年に導入した上場投資信託(ETF)、上場不動産投資信託(REIT)の新規買い入れ終了も決めた。

―なぜ見直したのか。
 22年2月に始まったロシアのウクライナ侵攻の影響で、エネルギー価格などが高騰。円安進行も重なり、歴史的な物価高になった。好調な企業業績や人手不足を背景に、24年春闘で大企業を中心に大幅な賃上げ回答も相次いだ。日銀の植田和男総裁は、賃金と物価がともに上昇する好循環によって、2%の物価上昇目標の持続的・安定的な達成について「実現が見通せる状況になった」と説明している。

―家計や企業への影響は。
 日銀の利上げを反映し、預金金利が上がりそうだ。メガバンクや一部の地方銀行が引き上げに動いている。年金基金や貯蓄性の高い保険商品の運用環境が良くなることも見込まれる。金融機関にとっては、利ざや拡大で収益改善につながるとみられている。一方、企業への貸出金利は上昇し、借り入れ負担が増しそうだ。さらに金利が上がれば、住宅ローンの7割程度を占める変動型は短期金利に連動するので上昇する可能性がある。

―金利はさらに上がっていくのか。
 経済活動の活発化などにより、2%の物価上昇目標を上振れするような局面になれば、日銀が追加利上げに動く可能性がある。ただ、日本経済はようやく「金利のある世界」に復帰したばかり。植田総裁は「緩和的な金融環境が当面続く」と繰り返し強調しており、金利上昇は限定的とみる市場関係者が多い。(了)
(記事提供元=時事通信社)
(2024/03/23-14:27)

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