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首都圏鉄道路線研究会「知ってるつもりの鉄道のお話」

電車内の痴漢、首都圏の路線別対策状況リスト…埼京線と京王線は車内カメラ

文=佐藤裕一/首都圏鉄道路線研究会

 車内防犯カメラについては、直近ではJR東日本が今年6月6日、山手線E235系の550車両に順次設置していくことを表明。同社以外にも、東京地下鉄(東京メトロ)と東京都交通局都営地下鉄が今年3月14日、東急電鉄は昨年3月25日に、保有する全車両への順次設置を明らかにしている。

 いずれもテロ対策や迷惑行為・犯罪の防止が目的で、2020年の東京オリンピック開催を見据え、警察との連携があるとみられる。

 車内防犯カメラが最初に設置されたのは、「電車内の痴漢防止に係る研究会」が発足する前年の09年12月。痴漢が多いことで問題となっていたJR埼京線を対象に、明確に「痴漢犯罪防止を目的」(JR東日本のプレスリリース)としていた。

 しかし、東京地下鉄や東京都交通局のような全車両への設置ではなく、埼京線の32編成のうち「痴漢犯罪が頻発している1号車(大宮方)」(同)のみ。

 京王電鉄も11年、警察の要請を受けて車内防犯カメラ付き車両を私鉄で初めて導入したが、2編成に計2両を配置するのにとどまった。

 先陣を切った埼京線と京王線だが、その後導入車両が増えたということはなく、両社の広報担当者は「現在も全編成の1号車のみ」(JR東日本)、「計2両というのは変わっていない」(京王電鉄)と話す。

 では、今後はどうなるのか。

 JR東日本は「(山手線を除く在来線について)セキュリティ対策全体のなかで、実施するかどうかも含めて検討している」段階だ。京王電鉄も「今後の導入は検討中」という。

 まずは山手線に痴漢対策の効果のほどを期待したいところだが、ホームドアも車内防犯カメラも、痴漢包囲網として機能するのはまだ先のことになりそうだ。
(文=佐藤裕一/首都圏鉄道路線研究会)

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