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『監獄のお姫さま』、過剰な小ネタ盛り込みがスリリングな本筋を邪魔していないか

文=吉川織部/ドラマウォッチャー
『監獄のお姫さま』、過剰な小ネタ盛り込みがスリリングな本筋を邪魔していないかの画像1『監獄のお姫さま』公式サイトより

 小泉今日子主演の連続テレビドラマ『監獄のお姫さま』(TBS系)の第6話が21日に放送され、平均視聴率は前回から0.1ポイント減の7.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)だったことがわかった。

 第6話は、勇介を失ったしのぶ(夏帆)やカヨ(小泉)らが悲しみに暮れる場面から始まった。やがて彼女らは、勇介を連れて行った吾郎(伊勢谷友介)がモデルの晴海(乙葉)と極秘入籍しており、すでに息子もいるとの記事が週刊誌に載っているのを見付け、勇介の生みの親であるしのぶの存在が抹殺されたことを知る。だが、悲しむ彼女たちの身の上にも変化があり、獄中にいても外の世界で人気者だったはずの千夏(菅野美穂)はいつの間にか社会にそっぽを向かれるようになり、カヨや明美(森下愛子)は帰る場所をなくしていた。失うものがなくなった彼女らは、しのぶのために吾郎に復讐することを決意。「復讐するぞ!」とは大声で言えないので「更生するぞ!」と気勢を上げ、飲むヨーグルトで乾杯した――という展開だった。

 今回特に視聴者の反響が大きかったのは、刑務所を慰問に訪れた前川清(本人)とカヨがデュエットした場面だ。この時2人が歌った『愛のさざなみ』は、カヨを演じる小泉がかつてテレビ番組で披露したことのある曲。ネットには、当時を知る世代によると思われる「あなた30年前にユーミンとアン・ルイスと3人で歌ってたよね?」「前川清と馬場カヨのデュエット最高だったな」「まさかのキョンキョンと前川清で愛のさざなみが聴けるとは」といった書き込みがなされた。

 とはいえ、このシーンに意味があったのかどうかはよくわからない。本作では何気ない場面が伏線となっていることも少なくないため断言はできないが、おそらく特に意味はないのだろう。前川清の後に登場した園児たちの合唱を聞いて勇介を思い出したカヨたちが涙を流し、その後吾郎への復讐を決意するという流れにはなっていたが、小泉が歌う必要性はたぶんなかった。

 もちろん、役者本人の過去の仕事や出演作とからめたネタを盛り込むのは、今どきどのドラマでもやっていることであり、特別本作がふざけていると言うつもりはないが、小ネタばかり盛り込まれてもそれはそれで違うのではないかと思う。事実、放送後にSNSに書き込まれた感想の中には、「ネタ多すぎて笑った」「今回も小ネタ満載でおもしろかった」など、登場人物によるギャグやシュールな場面のおもしろさばかりに注目するものが少なくない。それぞれの場面がおもしろいことは決して否定しないが、それは「ドラマがおもしろい」という評価とはまた別物ではないだろうか。ドラマ自体に力があるのだから、過剰なまでにネタを盛り込むのを控えても良いのではないかと思うのだ。

 小ネタが話題を呼ぶ一方で本筋もグイグイと進んでおり、勇介が吾郎の実子ではない可能性が突如として浮上した。まだ真相は不明だが、もしそうだった場合にはこれまでのすべてがひっくり返ることになり、カヨたちによる吾郎への復讐は無意味なものとなってしまう。また、表向きは吾郎の秘書として働きながら計画に加わっていた元刑務官の若井(満島ひかり)は、犯人たちとのつながりを刑事に疑われ始めた。さらに次回予告では、裏切り者の存在までほのめかされている。ますます着地点が見えなくなってきたが、まだこの先ひとひねりもふたひねりもありそうだ。
(文=吉川織部/ドラマウォッチャー)

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