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モスバーガー、4年連続客数減の危機的状況…高級感崩れ中途半端、マックの復活が追い打ち

文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント
モスバーガー、4年連続客数減の危機的状況…高級感崩れ中途半端、マックの復活が追い打ちの画像1モスバーガーの店舗(撮影=編集部)

 モスバーガーに異変が起きている。新鮮な野菜を使ったヘルシーハンバーガーを武器に業績を伸ばしてきたが、ここにきて黄色信号が灯っているのだ。

 運営会社であるモスフードサービスの2017年4〜9月期連結決算は、売上高が前年同期比0.4%増の359億円、本業の儲けを示す営業利益は17.2%減の23億円だった。売上高は微増にとどまり、営業利益は大幅に減少した。

 主力のモスバーガーで客離れが起きたことが影響した。既存店客数が0.7%減少したのだ。客単価が高まったため売上高は0.8%の増加となったが、中期経営計画で掲げる「1%の増加を達成し続ける」という目標には届いていない状況にある。

 同社は業績を向上させるために、さまざまな施策を行った。たとえば、9月から「ご当地創作バーガー決戦」と題したキャンペーンを打ち出し、モスバーガーで働く従業員が「地元の名物」をキーワードに考案した4つのご当地バーガーを販売した。このキャンペーンは業績に貢献し、開始した9月の既存店売上高は3.8%増加した。

 モスフードサービスの中村栄輔社長は決算説明会で「私は名古屋市の河村(たかし)市長を表敬訪問し『名古屋海老フライバーガー レモンタルタル』をつくったことを報告したが、河村市長から『どえりゃーうみゃー』とおっしゃっていただいた。おかげさまで、2週間で100万食を売ることができた」と手応えを力説している。

 ただ、それ以外のキャンペーンや新メニューでは特筆できるものが見当たらない状況だ。

 競合のマクドナルドは、1月に行ったレギュラーメニューの人気投票企画「第1回マクドナルド総選挙」や、8月に行ったマクドナルドの愛称が「マック」と「マクド」のどちらがより愛着があるかを決めるキャンペーンなどが話題を呼び、客数を大きく伸ばすことに成功した。それと比べるとモスバーガーが実施した施策はどれも物足りなさを感じる。

 このように、モスバーガーは不振にあえいでいる。一時的な不振であればいいが、どうやらそうでもなさそうな雰囲気が漂っている。モスフードサービスの16年3月期連結決算は好調だった。売上高は前期比7.2%増の711億円だった。それまでも順調に売上高を伸ばしていた。しかし、17年3月期は0.3%減少し、前年を下回る結果となってしまった。前述した通り17年4〜9月期も微増にとどまっており、ここにきて減収・低成長に甘んじている状況だ。

 不振は国内モスバーガー事業の店舗数が減っていることが影響している。14年3月末時点では1419店あったが、その後は減少していき、17年3月末時点には1362店にまで減った。3年で57店の純減となる。18年3月末時点では、さらに減少する見込みだ。現状、モスバーガーは国内では飽和状態にあるといっていいだろう。

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