外食産業で、明暗が分かれた。
「明」の代表は、ハンバーガーチェーン最大手の日本マクドナルドホールディングスだ。2017年12月期の連結決算は、01年の上場以来最高の最終利益を叩き出した。
売上高は前期比11.9%増の2536億円、営業利益は同2.7倍の189億円、純利益は同4.5倍の240億円となった。
異物混入などによる客離れで、14年同期から2期連続の最終赤字に転落したが、V字回復を達成した。全国2900店の既存店の売上高は、1月末まで26カ月連続プラスで推移している。
「暗」の代表は、ラーメンチェーンの幸楽苑ホールディングスだ。18年3月期連結決算は、赤字に転落する見通しだ。売上高は前期比2.6%増の388億円だが、営業利益は同86.0%減の2000万円、最終損益は6億7400万円の赤字(その前の期は1億5400万円の黒字)としている。不採算店を閉鎖するため特別損失を計上するほか、人手不足に伴う人件費の高騰が響いた。
ペッパーフードサービスが展開する「いきなり!ステーキ」のフランチャイズ店として業態転換を進め、経営の立て直しを図る。19年3月期までに15店余りをラーメン店から格安ステーキ店に転換する。
デフレ経済からなかなか脱却できないため、外食各社は低価格を前面に打ち出してきたが、構造的な人手不足に直面。人件費・食材費高が外食銘柄の株価に逆風となった。減益決算となった外食企業には、売り圧力が強まっている。
低価格ファミリーレストラン、サイゼリヤの17年9~11月期連結決算は、売上高が前年同期比6.5%増の379億円と、新規出店効果で増収となった。しかし、営業利益は同10.5%減の24億円、純利益は同14.5%減の16億円に落ち込んだ。円安の進行で輸入原材料のコスト負担が増えたことや、アルバイトを含む人件費が上昇したことで減益となった。
減益決算を受けて、株が売られた。昨年の大納会の12月29日のサイゼリヤの終値は3770円。今年2月15日は2996円で、20%下げた。