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高橋暁子「ITなんかに負けない」

信じられない小学生のSNSトラブル…LINEでいじめ、出会い系被害、YouTube中毒

文=高橋暁子/ITジャーナリスト
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 ゲーム機でYouTubeをやったり、TwitterやFacebookをやっている小学生も少なくない。「ゲーム機で使う方法は中学生の兄がいる友だちから聞いた。Twitterで(ゲームのキャプチャを)投稿したら、同じゲームをしている知らない大人と盛り上がった」とゲーム好きの小学生男児は言っていた。ゲーム機の中にはTwitterやFacebookが簡単に連携できる設定になっているものがあり、小学生でも簡単に利用できてしまうのだ。

LINEが大好きな小学生

 ある小学生は、友だちにLINEに誘われたが、スマホを持っていなかった。しかしiPadは与えられており、普段から音声検索で検索もしていた。実は、iPadでは固定電話番号を使ってLINEアカウントを作成することができる。その子は「iPadでLINEを利用する方法」を検索し、登録して使っていたという。保護者は、「iPadでもLINEが登録できることは知らず、油断した」とショックを受けていた。

 小学校も学年が上がるとLINEを利用する子が増えてくるため、「自分も使いたい」という子が増えてくるのだ。「お母さんのアカウントを借りてLINEをしている」という子もおり、改めて小学生のLINEへの憧れを強く感じた。

 小学校高学年になると、使っている子たちの間でLINEグループができてくる。しかし、小学生はまだ文章でのやり取りがうまくできない。そこで、LINEグループでやり取りをしているうちにトラブルになり、クラスのいじめ問題に発展してしまう例もある。

SNSの利用ルールを決めよう

 SNSで巻き込まれるトラブルは、いじめだけではない。SNSで知らない人と出会うことで出会い系被害に巻き込まれてしまったり、個人情報流出により個人情報がネット上に公開されてしまっている小学生もいる。

 SNSの多くには年齢制限があることをご存知だろうか。たとえば小学生に人気のTwitterやYouTube、Facebookなどは、利用規約では13歳以上となっている。しかし、小学生も自由に使ってしまっているのが実情だ。保護者が認めて利用させているケースもあるが、隠れて使っているケースがあるので、くれぐれも注意してほしい。

 SNSでの文章を中心としたコミュニケーションは大人でも難しく、さまざまなトラブルが起きるものだ。ましてや小学生ならば、安全に使いこなせたり、利用時間をコントロールできる子どもはほとんどいないと思ったほうがよい。

 子どもが利用する端末にはフィルタリングサービスを導入したり、ペアレンタルコントロール機能で利用制限をかけるなどの方法もある。自由に使わせる前に、どのサービスを使っていいのか、使う場合はルールを決めて安全指導をした上で渡すべきだろう。
(文=高橋暁子/ITジャーナリスト)

高橋暁子/ITジャーナリスト・成蹊大学客員教授

高橋暁子/ITジャーナリスト・成蹊大学客員教授

書籍、雑誌、Webメディアなどの記 事の執筆、企業などのコンサルタント、講演、セミナーなどを手がける。 SNSなどのウェブサービスや、情報リテラシー教育などが専門。元小学校教員。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎) など著作多数。NHK『あさイチ』『クローズアップ現代+』などメディア出演多数。令和 三年度教育出版中学国語教科書にコラム掲載中。


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