小室圭さん、眞子さまとの結婚は「母親の欲望実現」の可能性…母子一体感を精神科医が解説
秋篠宮家の長女、眞子さまの婚約者である小室圭さんについて、彼の交際相手だった女性の1人が「圭くんは母親の操り人形」と口にしたと「週刊文春」(5月3日・10日ゴールデンウイーク特大号/文藝春秋)が報じている。小室さんについて私が精神科医として抱いている印象とぴったり一致する。
このような印象を抱くのは、小室さんが母親の欲望を常に気にかけ、満たそうとしているように見えるからだ。その最たるものが、眞子さまとの婚約である。母親が息子の交際相手の家柄を非常に気にするからこそ、小室さんは日本一の名家のご令嬢と交際し、婚約にまでこぎつけたのではないか。ロイヤルファミリーの王女様と結婚すれば、小室さんは「王子」になれるわけだが、それこそ母親の欲望の実現のようにも思われる。
もちろん、「人間の欲望は他者の欲望である」とフランスの精神分析家、ジャック・ラカンが言っているように、誰でも「他者の欲望」を多少は気にかけなければ生きていけない。とくに、幼児は常に母親の欲望を気にせずにはいられない。そうしなければ、栄養摂取も排泄もできず、身の安全が脅かされることさえあるからだ。
成長するにつれて、親の欲望を気にしなければならない必要性は徐々に低くなるとはいえ、それでも全然気にせずにいられるわけではない。親の欲望を取り込んで自分の欲望のように思い込むのもよくあることだ。たとえば、開業医の息子が、「医者になって医院を継いでほしい」という親の欲望を取り込んで「医者になりたい」という欲望を抱く場合、「人間の欲望は他者の欲望である」典型だろう。
だから、親が自分に何を望んでいるのかを敏感に察知して、それに沿うように振る舞ったり、親の欲望を満たすような進路選択をしたりする人を非難するつもりはない。第一、そういう人はしばしば「いい子」とみなされ、ほめられる。ただ、「いい子」は自分の欲望を持つことができず、ときには親の操り人形のようになる危険性をはらんでいる。
小室さんが母親の操り人形のようになっている可能性を私が最初に感じたのは、母親の「借金トラブル」をめぐって、小室さん本人が母親の元婚約者に「贈与だと認識している」と告げたという複数の報道を読んだときである。元婚約者が用立ててくれたお金を返済せずにすむように、母親が息子に言わせたのではないかという疑いを抱かざるを得なかった。
あくまでも、これは私の個人的見解にすぎない。また、たとえ母親が息子に言わせたのだとしても、息子の側に、「言わされた」という自覚があるとは到底思えない。というのも、それだけ母子一体感が強く、小室さんが母親の欲望と自分の欲望を同一視しているように見えるからだ。この母子一体感こそ、小室さんの自立や結婚に影を落とすのではないかと危惧する次第である。
(文=片田珠美/精神科医)