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三越伊勢丹、人員余剰地獄で赤字転落…約千人削減計画も応募わずか、百貨店で一人負け

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日本橋三越本店(撮影=編集部)

 大手百貨店のなかで売上高トップの三越伊勢丹ホールディングスが、苦境に立たされている。2018年3月期はJ.フロント リテイリングや高島屋の好調な業績を横目に、閉店店舗の減損損失処理などで最終損益は8期ぶりの赤字を計上、本業の儲けを示す営業利益もJ.フロントや高島屋に比べ差がついている。インバウンド(訪日外国人)バブルに沸く大阪に店舗がない三越伊勢丹はインバウンドの需要を取り込めていないこともあるが、問題の本質はそれだけではなさそうだ。

逆転した三越と伊勢丹の立場


「危機に瀕していた三越の救済のはずだったが、今では立場が逆転だ」と、ある三越伊勢丹の関係者が話す。伊勢丹は三越と08年に経営統合した。しかし不運にも経営統合を主導し、合併作業を進めるはずだった武藤信一氏(元会長)が道半ばで急逝、武藤氏のバトンを引き継いだ前社長の大西洋氏の「温厚な性格」(同)が災いし、三越側の人員削減など目立った施策はとられなかったのだ。むしろ大西氏は化粧品の専門店や小型店を大量に出店するなど、拡大路線をひた走り、構造改革にはほとんど手をつけなかった。

「社員を前に『三越の社員は私が守る』という発言までして、旧三越社員の雇用を維持してきた。当初、旧三越社員と旧伊勢丹社員の給料格差もあったが、人事交流が進むなどで、次第に出身先による格差も薄れている」(三越伊勢丹関係者)

 つまり三越伊勢丹は多くの余剰人員を抱え、そのコスト負担が重くのしかかかる構図なのだ。売上高が増えているときはいいが、売上高が低迷すれば、とたんに余剰人員の負担が重くなる。

 一方、J.フロントは百貨店の自社運営に見切りをつけ、テナントで売り場を埋める戦略に転換。「ギンザシックス」がその好例だし、これから予定されている再開発も同様の身軽な経営にカジを切る方向だ。

 三越伊勢丹が高コスト体質であるのは、大手3社の売上高販売管理費の比率を見れば一目瞭然だ。J.フロントは17.2%(17年2月期)、高島屋はやや高く25.9%(18年2月期)だが、三越伊勢丹(単体ベース)で27.8%(18年3月期)と高い(J.フロントは18年2月期から国際会計基準を採用したため単純な他社との比較はできない)。

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