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「若者が離れた」丸井、売り場の賃貸業へシフト…若者への投資信託販売も強化

文=編集部
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「若者が離れた」丸井、売り場の賃貸業へシフト…若者への投資信託販売も強化の画像1モディ渋谷(「Wikipedia」より)

 丸井グループは子会社を設立して証券事業に参入する。今夏から「つみたてNISA(少額投資非課税制度)」の対象になっている投資信託を、丸井グループのメイン顧客層である20代の若者を中心に売り込む狙いだ。

 投資信託の最低購入額は3000円から5000円とする。丸井グループが発行するクレジットカード「エポスカード」で購入できる。クレジットカードで投資信託を購入できるのは日本初となる。スマートフォン(スマホ)で簡単に申し込めるアプリも導入する。

 丸井のカード会員は657万人(3月末時点)。20~30代が約半数を占め、投資未経験者が多い。カードのポイントが付く利点をアピールし、店舗でセミナーなどを開催し、投資を促す。青井浩社長は「10年間で100万人にサービスを提供し、預かり資産残高1兆円を目指す」としている。

 創業家の3代目である青井社長は、小売業からの業態転換を進めてきた。丸井が「ヤングファッションのマルイ」として輝いていたのは過去の話となり、小売業界の地図は様変わりした。

 ユニクロなどのカジュアルSPA(企画から製造、小売まで一貫して行うアパレル)、ZARAやH&Mなどの海外ファストファッション(最新の流行を取り入れながら低価格の衣料品)、ユナイテッドアローズなどのセレクトショップ(複数のブランドの商品を扱う店)が台頭。丸井の顧客だった若い男女は新興勢力に流れた。

 そこで青井氏は2014年5月に起死回生策を打ち出した。売り場を貸して賃料収入を得るショッピングセンター(SC)方式への切り替えを行ったのだ。売り上げは減るが、固定賃料が入る。若者の街・渋谷では15年11月にマルイシティ渋谷を渋谷モディへ名称変更し、SC型店舗として生まれ変わらせた。

 18年3月期の連結決算の売上高に当たる売上収益は前期比0.8%増の2389億円、営業利益は同12.8%増の352億円、純利益は同11.7%増の209億円と、4期ぶりに増収増益となった。

 小売りセグメントはSC・定借化が進み、売上収益は減ったが、営業利益は同14%増の88億円とほぼ計画通り。エポスカードが業績を牽引するフィンテック(金融とITが融合した新しいビジネス)セグメントの営業利益は同14%増の303億円と、6期連続で増収増益となった。

 現在は、フィンテックと売り場賃貸が2本柱だ。フィンテック事業の強化の一環として証券業に進出する。

BusinessJournal編集部

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