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女性誌「InRed」編集長に聞く、構造不況の出版業界で部数大幅増&豪華付録人気の秘密

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女性誌「InRed」編集長に聞く、構造不況の出版業界で部数大幅増&豪華付録人気の秘密の画像1「InRed」編集長の箕浦ちさ子氏(撮影=山本宏樹)

 2012年の雑誌の推定発行部数は5年前より約26%減少したといわれており、雑誌の大きなジャンルのひとつである女性ファッション誌も休刊が相次ぐなど苦戦している。例えば1970年代に創刊された女性ファッション誌の草分け的存在である「JJ」と「anan」の変遷をみてみると、「JJ」はピーク時に78万部あった発行部数は現在約7万部(実売ベース)とみられ、「anan」はすでに総合女性誌へと変身している。

 そんな苦境の続く女性ファッション誌の中で、今年1〜6月期の発行部数で、業界では異例ともいえる前期比3割増しとなるなど善戦している雑誌がある。「30代女子」をコンセプトに、主に30代女性をメインターゲットとするジャンルで部数トップであり、豪華な付録のオリジナル・ブランドアイテムでも知られる「InRed」(宝島社)だ。

 そこで今回は「InRed」編集長の箕浦ちさ子氏に、

「売れる雑誌のつくり方」
「読者のニーズ、気分をつかむにはどうすればよいのか?」
「人気の付録、オリジナル・ブランドアイテムの秘密」

などについて聞いた。

–「InRed」の読者は30代がメインですが、同じ年代をターゲットとする雑誌としては、ほかに「VERY」(光文社)や「Domani」(小学館)などが挙げられます。そうした同じ30代女性をメインとする他誌と比較して、「InRed」はどのようなカラーなのでしょうか?

箕浦ちさ子氏(以下、箕浦) 「InRed」の読者は、ほとんどが「働いている女性」です。具体的には、既婚・未婚が半々くらいで、お子さんがいる方は3割くらいですね。以前は「お仕事用の服」と「休みの日の服」は分けられていましたが、お仕事に行く時の服装がカジュアルになってきたので、洋服に関しては「オン」と「オフ」の境目がなくなってきています。ツーピースやジャケットみたいな、カッチリした格好で通勤している人は、すごく少なくなっています。「InRed」は、基本的にはそのような「オシャレをしてお仕事に行っている方」向けというカラーが強いといえます。

— 30代女性をターゲットにしたファッション雑誌の中で「InRed」は現在、実売部数1位ですが、そのような「InRed」のコンセプトが多くの女性にウケているということでしょうか?

箕浦 創刊は10年前になりますが、その頃の大人の女性向けファッション誌は、「主婦系」か「キャリア・コンサバ系」くらいで、いわゆる「カジュアル系」というジャンルがありませんでした。そのなかったジャンルをつくったのが「InRed」であり、創刊当時は今までになかった新しい雑誌といわれ、それが10年たった今、「10年前にはなかったジャンルが主流になった」という流れがあります。結果として新しいマーケットをつくった格好となりました。

BusinessJournal編集部

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