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あの「20世紀最高の経営者」の神話が崩壊!

文=編集部
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「伝説の経営者」の神話が崩れ落ちた。

「発明王」と呼ばれたトーマス・エジソンが創設者として知られる、米複合企業のゼネラル・エレクトリック(GE)。同社の元会長である、ジャック・ウェルチ氏のことだ。日本の経営者には、ウェルチ氏の崇拝者が多い。

 ウェルチ氏はCEO(最高経営責任者)を務めた1981~2001年の20年間で、GEの売上高を5.2倍、純利益を8.4倍に伸ばし、世界有数の株式時価総額を誇る巨大複合企業に育て上げた。99年には米経済雑誌「フォーチュン」(タイム社)で「20世紀最高の経営者」に選ばれている。

 ウェルチ氏の経営手法は「選択と集中」として知られる。世界で1位か2位になれる事業だけに経営資源を集中し、それ以外の事業は他社に売却して撤退する。それにより、GEは「製造業の雄」から、GEキャピタルに代表される金融サービスへ、ビジネスモデルを転換した。

 00年には、全体の収益の50%以上を金融部門で叩き出すまでになる。「フォーチュン」は、ある特集でGEを「ノンバンク」に分類したが、ウェルチ氏はこれに激しく抗議、元の「エレクトロニクス」に戻すよう要求したという。

 しかし、08年のリーマン・ショックでGEキャピタルは瀕死の状態に陥り、米国政府の保証を受けてようやく存続できた。当時、株式市場からは「GEはGEキャピタルを売却すべきだが、無理だろうな」といわれた。

 GEキャピタルは、資産総額50兆円という世界有数の金融機関になっていたからだ。あまりに巨大すぎるため、「売りたくても売れない」とみられていたのだ。

 しかし、ウェルチ氏の後を継いだジェフリー・イメルトCEOが英断を下した。今年4月、GEキャピタルの大半の資産を売却し、金融部門を整理する計画を発表して世界に衝撃を与えたのだ。ノンバンクから撤退し、本業である製造業への回帰を目指すという。

 GEキャピタルは、ウェルチ氏が“ドル箱”にしてきた、いわばGEの聖域である。そのGEキャピタルを、ばっさり切り捨てるというのだ。

「選択と集中」の刃は、まるでブーメランのようにGEキャピタルを襲った。イメルトCEOは、ウェルチ氏のCEO時代の功績を否定したことになる。かくして、ウェルチ氏の神話は崩れ落ちた。

従業員1000人、資産5000億円のリース事業を売却

 GEは全世界で2000億ドル(約24兆円)の規模を誇る、消費者向け融資事業を売却または分離する方針だ。年内に金融事業で1000億ドル(約12兆円)の資産売却を見込んでいる。

BusinessJournal編集部

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