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大戸屋、なぜめちゃめちゃ美味い?客を幸福にする「スゴい」戦略、11年の試行錯誤

文=山田まさる/コムデックス代表取締役社長、インテグレートCOO
大戸屋、なぜめちゃめちゃ美味い?客を幸福にする「スゴい」戦略、11年の試行錯誤の画像1「一本釣り鰹丼と稲庭風うどん」

 大戸屋にはまっている。きっかけは、定番メニューではなく、「期間限定メニュー」と銘打った2品の定食である。「さっくり鰺フライ定食」(税込858円)と「一本釣り鰹丼と稲庭風うどん」(同898円)である。

 もともと、私はランチを食べないスタイルである。食欲がないのではない。ダイエットでもない。性質が根っからの「食いしん坊万歳!」なので、おいしいものはゆっくりじっくり食べたくなるし、おいしい料理を食べると、ビールやワインが欲しくなる。もちろん、平日の昼間からそんなことをしていたら気持ちも体も弛みきって、午後は使いものにならなくなる。いや、午前中から何を食べようかと、そわそわしてしまうだろう。そんな警戒心もあって、昼は食べてもおにぎり1個とかパンをかじる程度のことが多い。1時間できちんと昼食を済ませて、「さあ、午後からもがんばろう!」というランチ・ワークバランスが保てないのだ。

 なので、大戸屋ともそれほど“親しい関係”ではなかった。会社の近所に店舗もないし、どちらかといえば“疎遠”であった。それが1カ月ほど前に、たまたま出先で予想より早く仕事に区切りがついた。時刻は午後1時半過ぎ、次のアポまで1時間ほど時間ができた。お腹も空いたので、ふと取引先の近くにあった大戸屋に入ることにした。

大戸屋、なぜめちゃめちゃ美味い?客を幸福にする「スゴい」戦略、11年の試行錯誤の画像2「さっくり鰺フライ定食」

7割が女性客

 店に入って最初に驚いたのは、女性客の多さである。噂には聞いていたが、ざっと6割、いや7割が女性客である。年代は幅広く、特に20~30代の女性のひとり客が目立つ。皆さん、バッグはもっていない。携帯とお財布のみ。つまり、近所にお勤めなのだ。遅めのお昼を一人で食べる彼女たちが、この店を贔屓にしている様子がよくわかる。

 さて、私が注文したのは、期間限定メニューの「さっくり鰺フライ定食」。10分強待っただろうか。運ばれてきた鰺フライ定食は、その名の通りさっくりでめちゃ美味い。フライやてんぷらは、何が美味いって、あの揚げたて感がたまらない。音が聞きとれるほどの“さっくり”がうれしい。加えて、私は「魚のフライにタルタルソース」という黄金コンビが大好物だ。このコンビを嫌いな人はいないだろう。このタルタルソースの助演ぶりが、また秀逸だ。メニューをよく読むと、アンチョビを隠し味にしてピクルスの酸味を効かせているという。なるほど、主役を引きたてる渋い演技なはずである。

山田まさる

山田まさる

株式会社インテグレートCOO、株式会社コムデックス代表取締役社長

1965年 大阪府生まれ。1988年 早稲田大学第一文学部卒業。1992年 株式会社コムデックス入社。1997年 常務取締役、2002年 取締役副社長就任。2003年 藤田康人(現・株式会社インテグレートCEO)とB2B2C戦略の立案に着手。2005年 食物繊維の新コンセプト「ファイバー・デトックス」を仕掛け、第2次ファイバー・ブームを巻き起こした。同キャンペーンは、日本PRアワードグランプリ・キャンペーン部門賞を受賞。2007年5月、IMC(Integrated Marketing Communication)を実践する日本初のプランニングブティックとして、株式会社インテグレートを設立、COOに就任。2008年 株式会社コムデックス 代表取締役社長に就任。同年「魚鱗癬」啓発活動にて日本PRアワードグランプリ・日常広報部門最優秀賞受賞。著書に『スープを売りたければ、パンを売れ』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『統合知~“ややこしい問題”を解決するためのコミュニケーション~』(講談社)、『脱広告・超PR』(ダイヤモンド社)がある。


株式会社インテグレート

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