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沢木文「アナタの隣にいる転落女子」

都会型貧困女子が激増…女子力アップに病的にお金浪費で借金地獄、優位性見せびらかし

文=沢木文/ライター
都会型貧困女子が激増…女子力アップに病的にお金浪費で借金地獄、優位性見せびらかしの画像1「Thinkstock」より

 私は、女性誌の編集者として20年近く活動している。そのなかで、多くの女性たちから話を聞いてきた。雑誌をつくる時に最も大切なのは、「生の読者の声」だ。それゆえ、リサーチが雑誌の鮮度を決める。今まで、雑誌の購買層に合わせて、10~40代の2000人ほどの女性に会った。

 彼女たちは、みなキラキラしていて、人当たりがよくポジティブだ。編集者側が「最近、周囲で流行っているブランドは?」「食べ物は?」「レストランは?」と話を振ると、東京の女性の間で流行っている最新情報を競うように教えてくれた。

 例えば、

「(高級フレンチの)ジャン・ジョルジュ・トウキョウに友達と行ってきたんです」

「先月、アメリカのパワースポット・セドナに一週間行ってきました」

「ハワイのオーガニックフード合宿に参加したんですよ。すごくデトックスになったんです」

というように。ピカピカの髪と肌と爪、そして、ほっそりとしたひざ上には、10~30万円クラスのブランドバッグの新作が鎮座していた。

年収300万円以下、非正規でも消費が止まらない女たち

 これが、年収500万円以上で実家に住んでいる“パラサイト系女子”であれば、「ふーん、そうなんだ」で終わる。しかし、前述のような話を語ってくれた女性たちは、どう考えても年収300万円程度、もしくはそれ以下だ。

 勤務先として有名企業の名前を出しているので、どんな仕事をしているのかを聞くと、「実は派遣なんです」という人も少なくなかった。しかし、2000年代の女性誌が取材対象者に求めていたのは“キラキラ感”だ。そのため、そういった“負の告白”は聞かなかったことにして、同僚男子のスペックや彼女たちの恋愛模様を重点的に聞き出していた。

 ハイブランドのアイテムを持ち、流行最先端のレストランに行き、習い事やエステ、整体などの自分磨きに余念がなく、話題のスポットに旅行する……彼女たちの話を聞きながら、「こういった過剰な消費を行うのは、他者からの評価を期待しているからではないか」と考えた。

 女性がブランドアイテムや経験をひけらかすのは、男性が高級腕時計やクレジットカードのランク、クルマを見せびらかす行為に近い。ちなみに、男性にとって、これらのアイテムは「ファルス(男性器)」の代用品ともいわれている。

「女子力アップ」の呪縛で借金300万円をリボ払い

 少し前に「マウンティング」という言葉が流行したが、その裏にあるのは「自分の優位性を知らしめたい」という欲求だ。

 しかし、女性は男性のように、わかりやすいアイテムを持っていることだけで「あいつはすごい」とは思わない。たとえ、世界的に有名なブランドのバッグを持っていても、不美人なら嘲笑の対象にされる可能性もあるし、全方位を最新ファッションで固めた美女でも、そこに知性がなければ称賛されることはない。

 そこで出てきたのが、「女子力」というキーワードだ。女子力を上げるために、多くの女性が、モノ(服、バッグ、靴、アクセサリーなど)やコト(エステ、旅行、フラワーアレンジメントや料理などの習い事、セミナー、勉強会)にお金を使うようになった。

「自分が何をしたら幸せになるか」ではなく、目的が「女子力を上げること」になっている。そこに対して無自覚だと、どんなにお金があっても貧困女子になる可能性がある。それに、今は会社員であれば誰でも借金ができる時代だ。

 私が取材した「パッと見、普通」の30代OLのなかには、借金が100~300万円という人もザラにいる。彼女たちの最終目的は、女子力を上げたことによる堅実な男性との結婚だ。

 しかし、そういう男性は借金がある女性を避ける。だから、彼女たちは誰にも言わずに借金をリボ払いで返し続ける。今は明細書もデジタル化されているので、本人以外に残債を知られることはない。

 また、「借金がある」とカミングアウトすることは、築き上げた女子力の低下に直結する。分割払いが困難になれば、リボ払いという方法がある。その高額な利子と追加で行われた消費によって、借金はみるみるうちに膨れ上がってしまうのだ。

 この「女子力を上げたい→消費する」という構図に、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)ブームが拍車をかけた。(本人が思うところの)上がった女子力を、すぐに披露できる場(SNS)があることで、どこまでもそれを追求してしまう……そんな蟻地獄に、無自覚に陥っているのだ。

 曖昧模糊な女子力を追求していては、お金がいくらあっても足りない。それに気付かない女性たちが、都会型の貧困女子になっていると感じる。では、自分の家族や大切な人がそうなっていないかどうかを見抜くためには、どうすればいいだろうか。

 まず、収入に見合わない消費行動がSNS上に投稿されているか否かで判断することができる。また、借金がある人は、気持ちのアップダウンが激しくなる傾向が強い。

 ある経営者は、「職場で突然泣き出したり、後輩を激しくいじめたりするようになったアラフォー女性がいたんだけど、彼女はカードローンで苦しんでいたんだよね」と語っていた。
(文=沢木文/ライター)

沢木文/ライター

沢木文/ライター

1976年東京都足立区生まれ。大学在学中よりメンズファッション誌の編集に携わる。以降、女性誌を中心にフリーランスの編集者として活動。著書に『貧困女子のリアル』(小学館)、近著に『不倫女子のリアル』(同)がある。

『貧困女子のリアル』 社会的に注目されている貧困女子はシングルマザーなどが多かったが、ここにきて、短大や大学を卒業した30代女性たちが貧困状態に陥っていることが表面化してきた。街金での借金、親からのDV、男性への依存など、悲惨な現状はネットや雑誌でも話題になり、反響は大きい。学歴があるのに、なぜお金に困るのか、なぜ人生を捨てたような日常になってしまうのか。親や上司の世代には理解しがたい驚くべき現実。そして意外に共感できるという同世代の女性たち。社会問題としての貧困女子を浮き彫りにする。 amazon_associate_logo.jpg
『不倫女子のリアル』 愛されたい女たちの逆襲がはじまった!? ベッキー、宮崎謙介、桂文枝、乙武洋匡……。世間を騒がし、社会問題となりつつある“不倫”。今や芸能界以外でも不倫は横行、特に働く女性が主導権を握るケースが増えている。女性はなぜ不倫に走るのか。不倫するとなぜ世間からディスられるのか。円満な家庭でも不倫のリスクはあるのか。女性の社会進出とともに価値観や倫理観も変わってきた。実際に不倫をしている30~40代の女性へのインタビューを通して、都会型不倫の現況と社会的背景を探る。 amazon_associate_logo.jpg

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