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中沢敦「パルディア流 売れるマーケティング論」

なぜローソンのある店舗に客殺到?コンビニ業界、「裏」で激化する争奪戦

文=中沢敦/パルディア代表取締役

人気キャラ&アイドルもコアファン獲得のコンテンツ

 このように、コンビニ各社がアニメコンテンツの競い合いをするのは、固定のファン層による売り上げが見込めるためだ。キャンペーンとは、いつも店舗を利用してもらっている客の購買単価を向上させる、もしくは新規客の来店促進を促すために行うものだ。そういう意味でも、アニメのコアファンが大好きなアニメ目的に来店してレアアイテムを購入するキャンペーンは、一定の目的を果たしている。

 また、キャンペーンコンテンツはアニメだけでなく、人気キャラクターも活用している。たとえば、ローソンでは「リラックマ」(サンエックス)や「ハローキティ」(サンリオ)、ファミリーマートでは「うさぎのモフィ」(コンドウアキ/主婦と生活社)といった具合だ。

 セブン-イレブンでは人気ゲームの『妖怪ウォッチ』(レベルファイブ)や『ポケットモンスター』(ポケモン)を採用し、毎年定番キャンペーンとして展開している。ほかにも「AKB48」や「乃木坂46」「関ジャニ∞」など人気絶頂のアイドルを採用している。

 一方、ファミリーマートはアイドルでは「SKE48」「HKT48」、またサッカー日本代表ともコラボしている。ローソンはメジャーなアイドルは採用せず、「ももいろクローバーZ」の姉妹グループである「チームしゃちほこ」など、ジモドル(地元アイドル=ローカルアイドル)を活用してコアファンを狙うプロモーションに特化している。

 8月1・2日に開催された世界最大級のアイドルフェス「東京アイドルフェスティバル2015」は、過去最大のアイドル154組が参加し、5万名もの来場者数を記録した。現在は地下アイドル全盛時代ともいえるほどの盛り上がりをみせているため、CMソングを勝ち取れるような地下アイドル選手権などを開催し、さまざまな地下アイドルファンの来店を促進するようなキャンペーンも展開されるかもしれない。

 コンビニでは、おにぎり、サンドイッチといったファストフード、各種プレミアムスイーツ、カウンターコーヒー、最近ではドーナツなどでしのぎを削り合っているが、その裏ではこのようなコアコンテンツの争奪戦も繰り広げられているのである。
(文=中沢敦/パルディア代表取締役)

中沢敦/パルディア代表取締役

中沢敦/パルディア代表取締役

1967年生まれ。大学卒業後、大手広告代理店に入社。消費財メーカーや大手CVSチェーンをクライアントに持ち、多種多様なプロモーション企画に携わる。その後、株式会社パルディアを設立。以後は、店頭プロモーションに特化し、流通チェーンや消費財メーカーの店頭戦略に数多く携わる。消費財メーカーと流通業のタイアップキャンペーンや店頭プロモーションのプランニング、店頭販促のコンサルティング等にて幅広く活躍中。
株式会社パルディア

Twitter:@nakazawaatsushi

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