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宮永博史「世界一わかりやすいビジネスの教科書」

アマゾンが実現してしまったSFみたいな無人コンビニ、もはやメーカーを凌駕

文=宮永博史/東京理科大学大学院MOT<技術経営>専攻教授

 さてアマゾン・ゴーだ。現在はまだアマゾンの社員だけが実験的に使用している。その実験店舗は米国ワシントン州シアトルに存在する(住所は、2131 7th Ave, Seattle, WA)。そして、2017年には一般向けにサービスを開始するという。

 アマゾンは、キンドル、アマゾンダッシュボタン、アマゾンエコー(日本では未発売)などまるでメーカーのように新製品を次々と発売している。それも、アマゾンのサービスと実にうまく連動している。この一連のアマゾンの動きは一体何を示唆するのであろうか。

製造業とサービス業の垣根がなくなりつつある

 アマゾンはサービス業であるからメーカーのように自ら製品を開発することはないと思われてきた。しかし、最近はキバ・システムズというロボットメーカーを買収して物流拠点で使用するロボットを自ら開発するなど、メーカーの側面も持ち始めている。

 物流ロボットは自社の物流センターで使っており、今のところ外部に販売してはいないようだが、自社で培ったノウハウをもとに外部へロボットを売ることも可能だ。実際、AWSと呼ぶデータセンター事業は、自社で蓄積したノウハウを強みに外部へ販売し、シェアトップを獲得している。

 アマゾン・ゴーの店舗にも先端技術がふんだんに詰め込まれている。もはやメーカーも顔負けするほど技術開発をアマゾンは先導しているといってよい。アマゾンの経営から見えてくることは、今や製造業とかサービス業とか企業を色分けすることが時代後れになりつつあるということだ。

 アマゾンだけではない。米国を代表する製造業であるゼネラル・エレクトリック(GE)は、今やサービス業に力を入れている。IBMはすでにそうした変化を遂げている。EV(電気自動車)や自動運転など大きな転換点にある自動車業界でも、欧州の自動車部品メーカーなど製造業が多くのITエンジニアを採用しサービス業へと変化しつつある。

 ただし、製造業をやめてサービス業になるのではない。あるいはサービス業をやめて製造業になるのではない。製造業とサービス業を両方持つことによって価値を向上させようとしているのだ。

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