経済的停滞へのカギを握るのは民間の経済外交だが、今回の事件で財閥への風当たりが強いほか、李氏のほか、SKグループの崔泰源(チェ・テウォン)会長やロッテグループの辛東彬(シン・ドンビン、日本名:重光昭夫)会長らも出国が禁じられており、捜査が終わるまでは八方塞がりの状態。

 すでに、ソフトバンクグループの孫正義社長や中国の馬雲(ジャック・マー)アリババグループ会長が就任前のドナルド・トランプ次期米大統領と会って、東アジア勢が活発な民間経済外交を展開しているが、韓国はひとり蚊帳の外だ。

 韓国では昨年の失業者数が100万人を超え、若年層の失業率も過去最悪の9.8%を記録するなど雇用危機が深刻化しており、さらに今回の事件で、一層の深刻な経済悪化を懸念する声が強まっている。

 さらに、その余波が日本経済に与える影響も指摘され始めている。日本と韓国はお互いに、貿易相手国として第3番目の規模となっている。その貿易額は15年で8兆5700億円だけに、韓国経済が悪化すれば日本への影響は必至。すでに昨年12月末の慰安婦問題をめぐる日韓合意は大統領職の機能停止で、白紙に戻る可能性も取り沙汰されており、今回の事件では、対日外交から対日経済へも負の連鎖が及んでくることも懸念される。
(文=相馬勝/ジャーナリスト)

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