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湯之上隆「電機・半導体業界こぼれ話」

【没落する日本の半導体業界に激震の告発】坂本さん、エルピーダを潰したのはあなただ

文=湯之上隆/微細加工研究所所長

 東海道新幹線のグリーン車には、網ポケットに「Wedge(ウエッジ)」という情報誌が入っている。同誌では、2012年に倒産したDRAM(半導体メモリの一種)専業メーカー、エルピーダメモリで社長を務めていた坂本氏が『漂流ものづくり大国の治し方』というコラムを連載している。私は、密かにこの記事を読むのを楽しみにしている。というのは、共感できる意見もある一方、明らかに的外れな内容もあり、それが結構おもしろいからだ。

 しかし、同誌4月号ではこの連載はお休みで、その代わりに同誌編集部による坂本氏のインタビュー記事が掲載されていた。記事のタイトルは、『生産性向上を阻む日本企業の「悪弊」と決別せよ』である。私はどれどれと読み始めて、静かな新幹線のグリーン車内であるにもかかわらず、大笑いしてしまった。さて、私は何で大笑いしたのか――。

過剰技術・過剰品質

 坂本氏は、冒頭で、「日本企業には稼ぐ組織への進化を阻む『悪弊』を数多く抱えている(中略)こうした悪弊にメスを入れていかないと生産性は上がらない」と述べている。そして、同誌編集者と以下のようなやり取りを展開している。

「Wedge:具体的にはどこにメスを入れるべきか。

坂本氏:たとえば、品質至上主義が挙げられる。『品質のこだわる』といえば聞こえは良いが、その実5年ももてば良いものを50年壊れないような過剰な設計をする傾向にある。人命を預かる自動車や原子力発電所などに関わる製品であればそうするべきであるが、例えばスマホのような5年も使わない製品に50年壊れない品質を求めるのはおかしい。

Wedge:どのように改めればよいか。

坂本氏:私がCEOを務めた半導体メーカーのエルピーダメモリは、日立製作所とNECと三菱電機の半導体部門が切り離されて発足した会社だったが、CEO就任後にすぐにこの悪弊を改めた。すると製造部門のエンジニアに『もし問題が発生したときに誰が責任を取るのですか?』と聞かれたので『私が取る』と答えたら、安心して仕事のやり方を変えていた」

 ここまで読んで、私は大笑いしたわけである。なぜか。

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