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大戸屋、泥沼内紛が「小説よりおもしろい」と話題に…「お骨事件」、大物フィクサーも介入

文=編集部
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「あなたは大戸屋の社長として不適格。相応しくないので、智仁に社長をやらせる」
「あなたは会社にも残らせない」
「亡くなって四十九日の間もお線香を上げに来ない」
「何故、智仁が香港に行くのか」
「私に相談もなく勝手に決めて」
「智仁は香港へは行かせません」
「9月14日の久実のお別れ会には出ないでもらいたい」

 創業家代理人の大物フィクサーも登場する。正木烝司氏だ。調査報告書は、久実氏の次兄で東京会慈恵医科大学外科学講座教授の三森教雄氏の発言を載せている。教雄氏は三森一族から唯一、社外取締役に入った。その教雄氏が16年6月8日、正木氏宅を訪問した。

「正木氏が一度私と話したいと言っていると智文(久実氏の長兄)と智仁から連絡があり、智文・智仁・三枝子と6月8日に行った。私が行った理由は、会ってどういう人物か確認し、言い分を伝えたいということ。(渋谷区)松濤の自宅で。好々爺、恰幅のいい老人という印象。

 意見を求められて、『智仁が辞めたことは間違っているし、復帰する予定を会社側が示してくれているのだから、きちんと話し合いをもって早期に解決すべきだ』と話した。代理人として正木氏がいなくても解決できる体制にあると。正木氏は『会社側の対応がよろしくない、大株主に対するリスペクトが必要だ』と強調していた。

(中略)智仁も三枝子も、一番頼っているのは正木氏。そんなに深入りしないほうがいいだろうという印象だが、智仁にそれを言っても今は聞く耳を持っていない」(調査報告書より)

 正木氏は緑化工事会社、泰正の社長だ。この表の顔よりも、政財界にまたがる幅広い人脈を生かした大物フィクサーとして知られている。父親は「アラビア太郎」と呼ばれたアラビア石油創立者の山下太郎氏だ。

「劇場型乗っ取り」とテレビのワイドショーを賑わした、ライブドア元社長の堀江貴文氏によるニッポン放送の乗っ取り騒動のとき、フジテレビジョンの日枝久会長と堀江氏の和解を仲介したのが正木氏だ。堀江氏は「正木氏の家で、3人で食事した」と語っている。

 指南役の正木氏の狙いは、智仁氏の経営への復帰と窪田社長の追い落としにあるといわれている。株主総会に向けて、どういう手を打つのかが注目される。

 大戸屋HDの17年3月期の連結決算の売上高は前期比1.5%減の256億円。国内の既存店売り上げは、お家騒動の影響もあり16年5月から17年3月まで前年割れが続いた。海外事業が好調で、純利益は17.2%増の3億5700万円となった。

 経営側としては、創業家との対立を早期に解決し、経営に専念したいところだろう。しかし、株主総会までに決着がつくかどうかは不透明だ。
(文=編集部)

BusinessJournal編集部

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