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「富野監督は?」「ORIGINの続編じゃないの?」『ファーストガンダム』復活に疑問の声

文=編集部
1708_gundam550.jpg『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』公式サイトより

 14日、ディリースポーツが『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』の安彦良和総監督が、「本編(一年戦争)はやらないとうそだと思います」「最初の作品が1番だと自分では思ってる。でも、若い人に見せようと思ってもとても見せられない」などとコメントし、1979年の放送以降、幅広い展開を続ける『機動戦士ガンダム』の第1作(通称『ファースト』)のリメイクに意欲を示している、と報じた。

 このニュースに『ガンダム』やアニメファンたちはもちろん鋭く反応し、ネット上の各地でさまざまな意見があがっている。制作当時と比べて格段に技術は向上、特にCG技術は飛躍の進歩を遂げているだけに、最新技術を駆使したハイクオリティーな『ガンダム』に期待する声は多い。

 一方で、主要キャラクターを演じていた声優のなかには鬼籍に入られたかたも多いだけにキャスティングはどうなるのか、あるいは『ファースト』で監督を務めた『ガンダム』シリーズの産みの親・富野由悠季監督は制作に参加するのか、参加するとしたどんな形をとるのか(安彦氏は『ファースト』ではキャラクターデザイン、作画監督などを担当)、懸念の声も多いようだ。

『ガンダム』ファンには今さらだろうが一応説明しておくと、『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』シリーズは、『ファースト』の物語を安彦風に整理したうえ、追加設定や大幅な前日譚、外伝的エピソードが追記されたマンガ。2001年の連載開始以後、単行本全24巻で累計発行部数は1,000万部を超えるヒット作。

 14年に「ガンダム35周年プロジェクト」の一環として、このマンガを原作としたアニメの制作が発表。原作者である安彦氏を総監督に据え、これまで全4本のOVAが上映・発売されている。こちらもBlu-ray・DVD各巻がオリコンの数字だけでも6~8万枚ほど売り上げる大ヒット作となっており、9月2日に第5章となる『機動戦士ガンダム THE ORIGIN V 激突 ルウム会戦』の2週間限定イベント上映を開始、さらに18年には最終話の『機動戦士ガンダム THE ORIGIN VI 誕生 赤い彗星』も上映予定となっている。

 なお、『ガンダム』物語の時系列的にはアニメ『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』でこれから描かれる『V激突 ルウム会戦』『VI 誕生 赤い彗星』が、ようやく『ファースト』の物語直前ということになる。

「そういった事情を踏まえると、『ファースト』をイチからリメイクするのではなく、現在のところ最終話となっている『機動戦士ガンダム THE ORIGIN VI 誕生 赤い彗星』上映・発売後、いよいよ『ファースト』の内容とリンクしてくる“『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』の続編”を20周年にあわせて制作するというプロジェクトに、安彦さんや製作委員会が意欲を示したということなのかもしれません。ただ、もし本当にそうだとしたら、正しい記事の見出しは『THE ORIGIN 一年戦争篇突入』ですよね。『ファースト リメイク』とは意味あいが大分異なるように思います」(アニメ誌ライター)

 また、『ファースト』の監督であり、『ガンダム』シリーズの産みの親でもある富野監督に対する言及が、安彦氏のコメントにも記事内にもないのも気になるところ。『ファースト』のリメイクなのか、『THE ORIGIN 一年戦争篇突入』なのかも含めて、ファンはやきもきさせられそうだ。

「『THE ORIGIN』上映中に映画館へ足を運ぶと、目立つのはコアなファンと思われる中高年の男性ばかり。『ガンダム』の名前は知っていても詳しいその内容や、『THE ORIGIN』は知らないというライトなファンに向けて、あえて『ファースト リメイク』という単語をチョイスしたのかもしれません。それだけ『ファースト』という単語は引きが強いんです」(前出のアニメ誌ライター)

 8月4日、バンダイナムコホールディングスが発表した2017年4~6月期(18年3月期第1四半期)決算に伴う、IP(知的財産)別売上高では前年同期の184億円から152億円と数字を落とし、通期の見込みでは長く占めていたトップの座を『ドラゴンボール』(通期今回見込み:757億円)に明け渡してしまいそうな『ガンダム』シリーズ(通期今回見込み:703億円)。また「トイホビー事業」では前期から4割近い落ち込みとなっている。

 最近のテレビシリーズ『ガンダム Gのレコンギスタ』や『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』が大きな実績を残せなかったのは痛かったが、はたして「ガンダム40周年」に向けてどれだけ気運を盛りあげることができるのだろうか。
(文=編集部)

BusinessJournal編集部

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