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くら寿司、客離れが深刻な事態に…サイドメニューの魅力低下、騒動連発でイメージ悪化

文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント
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くら寿司、客離れが深刻な事態に…サイドメニューの魅力低下、騒動連発でイメージ悪化の画像1くら寿司の店舗(「Wikipedia」より)

 無添くら寿司の客離れが止まらない。6月の既存店客数は、前年同月比1.2%減だった。前年割れは12カ月連続だ。2016年10月期までは3年連続で前年を上回っていたが、17年10月期から変調をきたし、前年同月を下回る月が目立つようになった。

 さらに悪いことに、その下落幅は決して小さくない。17年10月期が1.6%減、17年11月〜18年4月期が2.3%減だった。5月は5.7%減と激減し、6月は1.2%減った。なお、本稿執筆時点では7月の客数は発表されていない。

 他の大手回転ずしチェーンの状況はどうだろうか。

 業界最大手のスシローは絶好調だ。客数は7月まで5カ月連続で前年同月を上回った。上げ幅は大きく、たとえば7月は7.8%増、6月は8.6%増、5月が3.5%増となっている。さらに、客単価も上昇が続いている。客数と客単価が好調のため売上高もうなぎ上りで、7月まで9カ月連続で増収を達成している。

 客離れに苦しんでいたかっぱ寿司も、近ごろは光明が見えている。客数は今年5月まで31カ月連続で前年同月を下回るなど惨状を極めていたが、6月にようやく前年を上回った。6月の客数は1.1%増で客単価も大きく伸びたため、売上高は7.0%増と大幅な増収を達成している。なお、7月は苦戦し、客数が6.6%減、売上高が1.8%減だった。

 客離れに終止符を打つことができた6月は、サイドメニューが充実していた印象がある。

 かっぱ寿司は5月上旬から「白いスープカレーラーメン」を販売した。それに続く格好で6月下旬には「えびそば一幻監修 海老ラーメン」を発売している。白いスープカレーラーメンは発売3週間で10万食、海老ラーメンは発売10日間で10万食を売り上げるほど好評だったという。

 かっぱ寿司では、すしの売り上げが約70%を占める。そうしたなか、ラーメンの売り上げ構成比は約7%にもなり、非すしメニューのなかでは群を抜く人気を誇っている。

 6月はラーメン以外のサイドメニューや魚介以外のすしが充実していたのも特徴的だった。5月下旬から夏季限定で「ラムネ氷パフェ」と「いちごみるく氷パフェ」を販売した。6月下旬からはフェアを開催し、「極上生うに」や「鹿児島県産 活〆かんぱち」といった魚介ずしのほか、「牛Kingのサーロイン直火炙り」や「トンポーロー(豚角煮)」といった肉ずしを売り出している。

 こういったサイドメニューや非魚介ずしを充実させたため、6月は前年同月を上回ることに成功した。

 このように客数でみると、スシローが絶好調で、かっぱ寿司も復調の兆しを見せている一方、くら寿司は厳しい状況が続いている。なお、回転ずし大手4社(スシロー、はま寿司、くら寿司、かっぱ寿司)のひとつであるはま寿司は、情報を開示していないので詳細は不明だ。

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