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ヤマト、実際の作業量より過大に請求…元社員「組織ぐるみで意図的」、全件数の4割で水増し

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ヤマトホールディングス本社(「Wikipedia」より)

 宅配便最大手ヤマトホールディングス(HD)の子会社、ヤマトホームコンビニエンス(YHC)が法人顧客に引っ越しサービスの料金を過大請求していた問題で、同社の四国の法人営業支店長だった槙本元氏が7月27日、東京・霞が関の国土交通省で記者会見し、「引っ越しの見積もりは意図的に過大だった。不正は2010年ごろから組織的に行われていた」と暴露した。

 槙本氏が過大請求に気付いたのは10年。ある顧客企業の見積書で、荷物量を上乗せしているのを見つけた。本社への内部通報で未然に防いだが、上司から「なぜ通報するのか。内々に済ませればいい」とたしなめられたという。

 ところが、同じ顧客企業で11年にも過大請求があり、槙本氏がその企業に知らせて不正が発覚。400万円超が返金されたが処分はなく、その後も不正が続いたという。

「法人の引っ越しは、こんなに楽にお金が取れるのだと、伝染病のように過大請求が全国に広がっていった。『こんなことをしていたらいけない』と何回も会社に言ったが、聞く耳を持たなかった」と槙本氏は明かす。

 槙本氏は7月2日に会見を開き、不正の手口を明らかににした。「水増し請求は組織ぐるみで行われていた」と証言しつつ、ヤマト側を詐欺容疑で警視庁に刑事告発することを検討しているとした。

 槙本氏の告発を受けてヤマトHDは7月24日、YHCが法人向けの引っ越し料金を過大に請求していたと発表した。16年5月から18年6月末までにサービスを提供した3367社の約8割に当たる2640社に対して過大請求があり、総額は約17億円に上る。過大に請求した企業にはすでに謝罪し、すみやかに返済する予定とした。

 家財運搬量や付帯サービスの変更などで、事前の見積額より実際の作業が少なく済んだ場合でも、見積額をそのまま請求していたために、過大請求が起きたと説明した。

 実際の作業量に基づき金額を請求するという基本ルールが守られていなかった。平均で1割程度高い金額を請求しており、一番取り過ぎていたケースでは差額は19万円に上ったという。

 過去2年間の過大請求件数は計約4万8000件と、法人向け引っ越しサービスの提供件数全12万4000件の約4割を占めた。過大請求が全国的に行われていたことから、会見では「組織ぐるみ」であったかどうかに質問が集中した。ヤマトHDの山内雅喜社長は「組織として、このような(過大請求の)指示をしたことはない」と組織ぐるみの不正を否定した。
 
 告発者の槙本氏は、ヤマトHDの山内社長の記者会見について「悪いことをしたのだという印象はなかった。上からの指示があった案件があるとも聞いている。ちゃんとウミを出して、まともな会社になってほしい」と、感想を述べた。

 ヤマトHDは「見積もりと実際に運んだ量が違っても、最初のまま請求していた」と説明したが、槙本氏は27日に開いた2度目の会見で、「見積もり段階で実際に運ぶ予定のない荷物を含めて計算し、意図的に過大請求する不正もあった」と証言した。

 ヤマトHDが過大請求の総額を2年間で17億円と発表したことについて、「記録は内規で7年間残す決まりになっていて、ヤマトは金額を小さく見せようとしている」と指摘した。

 槙本氏の2度目の告発を受けヤマトHDは7月31日、過大請求額を修正した。これまでに判明していた約17億円に新たに約14億円を加え、過去5年間で約31億円と発表した。

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