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アル・ゴアが『不都合な真実』続編で明かした気候変動の怖すぎる予言

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アル・ゴアが『不都合な真実』続編で明かした気候変動の怖すぎる予言の画像1※画像:『不都合な真実2』(枝廣淳子訳、実業之日本社刊)

 異常気象が日本を滅ぼす日は近いかもしれない。

 2018年7月、埼玉県熊谷市では41.1度まで気温が上昇。日本歴代最高を5年ぶりに更新した。気象庁は「命に危険があるような暑さで災害と認識している」と注意を呼びかけているほどだ。

 自然災害も近年は頻発している。その一つが台風だ。2017年には観測史上初めて、1週間で3つの台風が北海道に上陸した。農業は甚大な被害に見舞われ収穫はストップ。「ポテチショック」はまだ記憶に新しい。

 2018年には平成最大の豪雨災害となった「平成30年7月豪雨」が発生。西日本を中心に多くの地域で河川の氾濫や浸水害、土砂災害が発生し、死者は200人を超えた。それだけでなく、同年7月に発生した台風12号は東日本から西へと向かう異例のコースを辿り、さらに西進。前例のない想定外の動きが、人々の不安を煽った。

 これらの現象は、地球温暖化が原因の一つとされている。事実、異常気象に頭を悩ませているのは日本だけではない。熱波で気温が上がり、世界各地で干ばつや森林火災が起きている。切迫する気温の上昇に、どう適応していくべきなのか。その対応策にいま注目が集まっている。

■的中しはじめたアル・ゴアの“予言”

 その駆け出しとなったのが、2006年に映画と書籍が同時に世に出た、アメリカ元副大統領であるアル・ゴア氏の『不都合な真実』だ。地球環境問題は話題を呼び、瞬く間に大ヒット。映画は第79回米アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞を受賞。環境問題の啓発に貢献したとして、ゴア氏にノーベル平和賞が授与された。

 このヒットによって温暖化への意識は高まったかのように思えたが、時が経つにつれて風化してしまった。このまま見ないふりを続けたとしたら、果たしてどれだけ悪化してしまうのか。これからの未来をアル・ゴア氏は続編である『不都合な真実2』(枝廣淳子訳、実業之日本社刊)で予言している。

 いま、大気中に漂う熱エネルギーは「広島に落とされた原子爆弾40万発分」だとアル・ゴア氏はこの本のなかで述べている。実際、極端に気温の高い日はもう珍しいことではなくなってきている。

 気温の上昇が止まらない場合、食用作物の収穫量が激減すると予言している。中国では既に、小麦とトウモロコシの収穫量が30年間で5%減った。アメリカでは熱によるストレスでトウモロコシの収穫は3分の1、小麦の収穫が5分の1以上に減る可能性があるとしている。

 また、北極でも劇的な変化が起こっている。冬の極夜の真っ只中、気温は通常よりも27.7度高い数値を記録した。1年の半分は太陽が達しない厳寒の地とされる北極では異例のことだ。その気温上昇に伴って氷が溶けると、温室効果のあるメタンが大気中に放出されることになる。いまも続く北極の変化がどれほど危険なものなのか、私たちはまだ理解していない。

 「暑さ指数」というものが、環境省で設定されている。人体と大気熱のやりとり(熱収支)に着目した指標で、気温と湿度、日射から人体に与える影響を分析するものだ。

 暑さ指数が28度を超えると熱中症患者が著しく増加することが明らかになっているが、アル・ゴア氏はイランで74度の暑さ指数に到達したと述べている。中東や北アフリカの大部分における気候は、居住不可能な地域をつくり出す恐れがある。土地を追われたことによる移住への圧力が生まれる二次的な被害も、『不都合な真実2』のなかで危惧している。

 昨今、世界各国でパリ協定を採択し、「今世紀末の気温上昇を2度より十分低く、1.5度以内を目指す」と合意された。しかしアメリカのトランプ大統領は協定の離脱を表明。2018年5月には温暖化ガス調査のNASA予算を削減したことを明らかにした。世界中が足並みを揃えて対策に向かうことは現状では難しい。

 アル・ゴア氏の“予言”は一つ一つ現実のものになっている。この事実を受け止めなければならない岐路に、いま私たちは立っているのではないだろうか。
(新刊JP編集部)

※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。

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