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24時間寝かせず給料0円、会社で共同生活…社員が自殺した広告会社で何が起こっていたのか

文=深笛義也/ライター
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すべての始まり

 大下氏は2006年より、もう一人の男性元従業員は2014年より、ビ・ハイアと業務委託契約を結んだが、同社の指揮命令のもとに業務に従事し、事実上は雇用関係にあった。両名とも本年3月に退職している。自死した女性は、大学在学中の2008年から同社でインターシップとして働き始め、2010年に業務委託契約を結んだが、同様に事実上は雇用関係にあった。

 清水氏は3人に対して、ルイ・ヴィトンなどのブランドものの衣服、靴、鞄などを買い与えたり、飲食店に連れて行くなどしていた。

 2016年2月、清水氏は3名に対して、「会社を潰すことを考えている」として、「ずっと現状を超えたゴールに向けて自分を変えていきますという話をしていたが、何も変わっていない。売り上げも変わっていないし、個人の資産状況も変わっていない。全部やるやる詐欺で無駄に時間とお金を使っただけだ」などと言った。

 会社を潰さないでほしいと懇願する3人に対して、「これまで嘘をついて結局何も変わらなかった責任を取るため」として、それまで奢った飲食代や買い与えたブランド品の費用を2000万円の貸し付け金として、大下氏と女性従業員に返済を求めてきた。2人は職を失わないために、それに従って連帯保証契約を結ばされた。

 その数カ月後、給料が振り込まれたことを、大下氏が交際女性に伝えたことを知って、清水氏はそれが守秘義務違反に当たると主張した。そして大下氏に4000万円の損害賠償請求を行った。女性従業員も、仕事の状況を交際男性に伝えたことが守秘義務違反に当たるとして、2000万円の損害賠償請求を受けた。

 そのようにして、彼らの会社に対する債務は増え続けた。これらが事実なら、不当な請求であることはいうまでもない。だが、彼らは債務の返済として給与の全額を天引きされるというかたちで、給与が出なくなった。

 一方、もう一人の男性元従業員には、当初、実行報酬と成功報酬が支払われていたが、2015年7月、清水氏から「今後実行報酬は支払わず、成功報酬のみとする」と言われた。その成功報酬は、売り上げが50万円以下であったら0%、50万円を超えると20%、100万円を超えると20%というもので、報酬を得られないことが続いた。このような雇用条件の不利益変更は、労働契約法に反するものである。

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