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大阪府警、市民を「首絞め」連行し死亡させる…目撃者への隠ぺい工作&恫喝の音声公開

文=粟野仁雄/ジャーナリスト
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 だが、次の日から何度も都島署員から電話がかかってきた。「昨日の動画の件ですが」と丁寧な言い方だったが、「携帯の動画を取り出させてほしい」という要求だった。実は、警察はこの日に、男性が死亡したことは報道発表していた。Aさんはそれを知らず「あの方、大丈夫やったんですか?」と尋ねたが、「報道された通り」としか答えない。

 Aさんは動画の提供には応じたが、さらに後日も執拗に電話がかかってくる。都島署員は協力への礼を言ったあと、「事案が事案ですので、お持ちの動画はYouTubeとか、外に出さないようにお願いしますね」「(報道が)当時の扱いより大きくなってきましたので」という。さらにやり取りのなかで 「うちというよりもAさんのためということですので。個人情報とかもたくさん入っていますので」と強調したのだ。Aさんはこの言い方に恐怖を感じたという。

 都島署員は慇懃無礼な言い方を繰り返しているが、聞けば聞くほどいやらしい物言いだ。誰の個人情報なのか。携帯電話の自分の通話歴をすべて把握されたAさん。犯罪などを犯していなくとも、警察権力がどこに付け込んでくるかわからない。「うち(大阪府警)というよりAさんのため」というのは「動画を外へ出さないほうがお前の身のためやぞ」と凄んでいるのと変わらない。

 死亡した男性は泥酔していたとはいえ、刃物を振り回したりしていたわけではなく、どう考えても過剰制圧である。大阪府警は「遺族感情もあるので」と早々に異例の捜査本部を設置したが、傷害致死の疑いも濃厚だ。死亡した男性の遺族に提訴されるようなことを避けたかったのだろう。大阪府警は「捜査中」とコメントせず、目撃者に電話をかけた事実も認めようとしない

 野次馬根性とはいえ、そもそも撮影は違法行為でもなく、Aさんに警察が免許証を提示させたり、電話番号を聞き出したり携帯電話の動画を撮影するような権利はなく、Aさんも応じる必要はなかった。都島署員によるしつこい「隠ぺい依頼」の電話からも、府警側には男性の死亡で「やりすぎた、まずいぞ」との意識があったことは見え見えだ。

 過剰制圧や隠ぺい工作が雑誌やテレビで大きく報じられてしまった大阪府警。杜撰な管理による富田林署の容疑者逃走劇に続く不祥事だが、今回は逃走劇とは違い、尊い生命が失われている。徹底した真相追及が必要だ。
(文=粟野仁雄/ジャーナリスト)

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