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カール教授の超入門ビジネス講座

フェイスブックやツイッターをやると視野が狭くなる理論的根拠…少数派=正しいとの誤認

文=平野敦士カール/株式会社ネットストラテジー代表取締役社長
フェイスブックやツイッターをやると視野が狭くなる理論的根拠…少数派=正しいとの誤認の画像1「Gettyimages」より

 前回の記事で、アマチュアスポーツ界における組織上層部によるパワハラ問題や、独裁的な経営がされている組織などにおける不祥事など一連の騒動は、氷山の一角にすぎず、日本社会全体に“組織の金属疲労”が起きているのではないかと指摘しました。そして、そうした日本の組織で起きている事象は欧米のトップスクールで教えられているネットワーク分析の理論(以下、ネットワーク理論)とプラットフォーム戦略®を学ぶことでより深く理解できると指摘しました。

 ここまでS・グラノヴェッターの「弱い紐帯の強さ(“The strength of weak ties”)」、シカゴ大学ビジネススクール教授のロナルド・S・バートの「構造的空隙の理論」「ネットワーク密度」「構造同値」等についてご紹介してきました。

 今回ご紹介するネットワーク理論は、「ランダムネットワーク」と「スケールフリーネットワーク」です。『世界のトップスクールだけで教えられている 最強の人脈術』(KADOKAWA)からその内容をご紹介します。

 ランダムネットワークとは、分布のピークが真ん中付近にあり、左右対称に長い裾を引くような正規分布のネットワークのことを指します。

 人間の身長などが例として挙げられます。大人のうち大多数の人の身長は150~180センチメートルくらいの範囲にあり、身長が10センチメートルあるいは3メートルというような人はまずいません。そして、このランダムネットワークの分布のかたちは、山のかたちになります。

スケールフリーネットワークの特徴

フェイスブックやツイッターをやると視野が狭くなる理論的根拠…少数派=正しいとの誤認の画像2『世界のトップスクールだけで教えられている 最強の人脈術』(平野敦士カール/KADOKAWA)

 これに対してスケールフリーネットワークとは、一部のノードが多数のつながりを持つ一方で、ほとんどのノードは少数のノードとしかつながっていないような構造のことを意味します。つまり、スケール(尺度・分布)からフリー(自由)という意味です。

 ネットワーク理論においては「点」とこれらを結ぶ「線」からできる図形のことを、「グラフ」と呼びますが、このとき「点」のことを頂点(ノード)、ノードとノードとを結ぶ線のことを辺(エッジ)と呼びます。

 スケールフリーネットワークの例としてよく挙げられるのは、World Wide Web(ワールド・ワイド・ウェブ=WWW)です。WWWとは、インターネット上で提供されるハイパーテキストシステムのことで、ウェブページをノードとし、ノード同士はハイパーリンクでリンクされるネットワークです。そこではごく少数のサイトが多数のリンク数を集めるのに対し、大多数のサイトは小さなリンク数にすぎないことがわかっています。

平野敦士カール/株式会社ネットストラテジー代表取締役社長

平野敦士カール/株式会社ネットストラテジー代表取締役社長

米国イリノイ州生まれ。麻布中学・高校卒業、東京大学経済学部卒業。


株式会社ネットストラテジー
代表取締役社長、社団法人プラットフォーム戦略協会代表理事。日本興業銀行、NTTドコモを経て、2007年にハーバードビジネススクール准教授とコンサルティング&研修会社の株式会社ネットストラテジーを創業し社長に就任。ハーバードビジネススクール招待講師、早稲田MBA非常勤講師、BBT大学教授、楽天オークション取締役、タワーレコード取締役、ドコモ・ドットコム取締役を歴任。米国・フランス・中国・韓国・シンガポール他海外での講演多数。


著書に『プラットフォーム戦略』(東洋経済新報社)『図解 カール教授と学ぶ成功企業31社のビジネスモデル超入門!』(ディスカヴァー21)『新・プラットフォーム思考』・『シリーズ 経営戦略・ビジネスモデル・マーケティング・金融・ファイナンス』(朝日新聞出版)監修にシリーズ18万部を突破した『大学4年間の経営学見るだけノート』『大学4年間のマーケティング見るだけノート』(宝島社)など30冊以上。海外でも翻訳出版されている。

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