日本国内でアップルのスマートフォン「iPhone3G」が発売されてから、丸10年が経過した。携帯電話といえばスマホが主流になって久しいが、ここ最近、フィーチャーフォン(従来型携帯電話)の最新機種が続々と発表、発売されていることをご存じだろうか。
たとえば昨年の7月には、auの名作ケータイ「INFOBAR」の最新機種である「INFOBAR xv」が発表されており、かつてのINFOBARファンを中心にインターネット上で話題を呼んだ。また、10月17日に開催されたNTTドコモの新製品発表会では、世界最薄、最軽量を謳う「カードケータイ」がお披露目され、大いに注目を集めた。また10月26日には、スマホと同じ電話番号を使用できる、“スマホの子機”を売り文句としたケータイ「ワンナンバーフォン」がドコモから発売されている。
このように、現在フィーチャーフォンは大いに盛り上がりを見せているのだ。しかし、なぜスマホ全盛の今、各メーカーはあえて新作フィーチャーフォンを打ち出しているのだろうか。その理由について、ケータイジャーナリストの石川温氏に話を聞いた。
新作発売の理由は「キャリアの差別化」「スマホの子機ニーズの創出」
近年、こういったフィーチャーフォンが続々発売されている背景は、いったいなんだろうか。
「各携帯電話会社(キャリア)によるラインアップの差別化、というのが大きな理由でしょう。スマホは機能面や見た目といったところがどうしても似たり寄ったりになりやすいため、結果的に各社ラインアップも同じようなものとなってしまっています。だからこそ、形も比較的自由につくることができ、機能面でも差別化を図りやすいオリジナルケータイを出しているのではないでしょうか。
また、アップルが発売している『Apple Watch』には、ペアリングしたiPhoneの番号で通話できる機能が搭載されています。先日発売された『ワンナンバーフォン』が、まさに同じような機能を有したケータイであることを考えると、“スマホの子機”というニーズを新たにつくろうとしているようにも思えますね」(石川氏)
最近はスマホも巨大化しているため、一部からは持つのも大変だという声も上がっている。“スマホの子機”というのは、その声に対する答えのようにも思えるのだが、そもそも、キャリア側に小型スマホを出そうという気はないということなのか。