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フジ月9『科捜研の男』早くも視聴率1ケタ台に転落…ひたすら不快で視聴者を拒絶の謎

文=吉川織部/ドラマウォッチャー

 錦戸亮が主演を務める連続テレビドラマ『トレース~科捜研の男~』(フジテレビ系)の第3話が21日に放送され、平均視聴率は前回から2.2ポイント減の9.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)だったことがわかった。第1話は12.3%、第2話は11.8%と2ケタ台を維持してきたが、3話目にして1桁台に転落した。

 このドラマは、陰惨な過去を持つ科捜研法医研究員・真野礼二(錦戸)が、現場に残された痕跡をもとに事件の真相に迫るサスペンス。新人の法医研究員・沢口ノンナを新木優子が、捜査一課のベテラン刑事・虎丸良平を船越英一郎が、それぞれ演じる。

 第3話は、8歳の女児が遺体で見つかる場面から始まった。ロープで首を絞められており、性的暴行を加えられていた可能性が高いという。このドラマ、第1話でも執拗にDVを描いて、視聴者から「気分が悪い」「見ていられない」と批判を浴びたが、またしてもオープニングから胸糞が悪くなるような展開である。これはもう、そういうドラマだと思ったほうがよさそうだ。つまり、意図的に視聴者を不快にさせようとしているか、あるいは少なくとも「不快にさせてもかまわない」と割り切っているかのどちらかなのだろう。

 ベテラン刑事の鶴見(大地康雄)は、20年前と10年前に起きた連続幼女殺人事件との関連性を疑う。しかし、真野は先入観に惑わされず、科学捜査で事件の真相に迫ろうとする。

 ところが、肝心の科学捜査の描写がお粗末極まりない。今回描かれたのは、動画に写っていた犯人の姿からジーンズの縫い目にある凹凸を解析し、容疑者のジーンズと照合するという手法だった。これ自体は、なるほどと思えるものだったが、その動画というのが10年前に携帯電話で撮影されたもので、しかも犯人が写っている大きさはほんの米粒程度。真野自身、この動画から顔を解析できるかと聞かれ、「当時の携帯の画質では難しい」と答えていた。

 それなのに、その直後に刑事ドラマ特有の“謎技術”で粗い画像を拡大して鮮明にし、せいぜい数ミリほどの幅しかない「ジーンズの縫い目にある凹凸」を浮かび上がらせた。「当時の携帯の画質では難しい」とはなんだったのか。粗い画像をいくら拡大しても鮮明にならないのではないか。タイトルに「科捜研」を掲げる以上、事件の根幹にかかわる部分では、それなりに説得力のある技術を用いてほしい。

 事件の真相もひどいものだった。実は女児は連続幼女殺人事件の犯人に殺されたのではなく、友だちの前で「自殺のふり」の練習をして失敗し、本当に死んでしまったのだという。なぜそんなことをしたのかといえば、「両親を仲直りさせるためには、遺書を書いて自殺したふりをすればよい」とインターネットに書いてあったからだ。

 インターネットにはそんな勧めが本当にあるのかと聞きたいが、まあそこはいいとしよう。虎丸刑事の説明によれば、女児は細い枝にロープを結んで首を吊る真似をしたが、枝が折れて地面に落下してしまい、「そのはずみで首をきつく締められることになってしまった」という。ここがさっぱりわからない。ネットユーザーからも「その理屈はおかしい」「枝が折れたんだから助かるだろ」「どうしてそうなるのか、さっぱりわからない」とツッコミの嵐がわき起こった。

「ロープを結んだ枝が折れたら、ますます首が締まった」という“真相”もわけがわからないが、こんな話を月曜夜9時に放送するフジテレビの神経もわからない。結局のところ今回の話は、娘を失って悲しむ両親に、「娘さんは連続殺人犯に殺されたのではなく、あなたたちのせいで死んでしまったのです」と宣告したようなものである。あまりにも暗く、救いがない。「女児が性的暴行を受けて殺された」という情報で始まるオープニングも相当ひどかったが、ラストで明かされる真相のほうがもっと胸糞が悪くなるものだった。

 今回は子どもが関係する事件だったため、「首吊りの真似やら死体遺棄やらの演技をさせられた子役がかわいそう」との声もあった。本当にそう思う。相変わらず錦戸は無表情でボソボソしゃべるし、相方役の新木優子は常に眉をひそめて深刻そうな顔をしているし、ドラマとして全体的に暗すぎる。シリアス路線の社会派ドラマをやりたいのかもしれないが、少しやりすぎだ。
(文=吉川織部/ドラマウォッチャー)

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