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吉田沙保里、引退会見で「真実ではない報道」「一番つらかった」と明かしたこと

写真・文=粟野仁雄/ジャーナリスト
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 五輪3連覇、世界大会16連覇、個人戦206連勝、そして国民栄誉賞――。

 昨年12月の全日本選手権に選手として出場せずにセコンド役に回っていた36歳のヒロインを見て、引退は予想していたが、1月10日の引退会見(東京・京王プラザホテル)に駆け付けた。

「ヤワラちゃん(柔道の谷亮子さん)に金メダルを見せてもらい、金メダルを目指した」という吉田沙保里は、引退動機について「若い選手に任せられると思った」と説明した。「一番印象に残るメダルは?」という質問には、「リオ五輪の銀メダル。負けた人の気持ちが初めてわかった」と答えた。

「初めて」というのもすごいが、試合後「選手団長として絶対に金メダル取らなくてはいけなかったのに」と泣いて報道カメラに向かって詫び、母と兄の胸で「お父さんに怒られるー」と号泣した姿は優勝以上の感動だった。

 会見では、恩師である至学館大学の栄和人前監督をめぐるパワハラ騒動についても問われた。

「そうですね。私をここまで世界で活躍する選手に育ててくれた栄監督と、今まで共にがんばってきた仲間がああいう状況になってきたことはショックでした。まあ、私は、本当に真実ではない報道もあったかもしれないですけど、若い後輩たちがそれに悩まされて思い切り練習できなかったり、試合で結果が出せなかったりという部分があったところが本当に一番つらかったですね」

「仲間」とは中京女子大(現至学館大)で2年後輩の伊調馨選手のことだ。今後、東京で五輪5連覇を目指す伊調選手を盛り上げていかなくてはならない立場にもあり、発言は精いっぱいだろうが、栄氏への一連のバッシング報道はおかしいと暗示している様子が伺えた。

 レスリングが五輪競技から外されかけた時、署名活動の先頭に立ち窮地を救った。最近はテレビ出演も増えているが、「キャスターは?」という問いに「無理です。バラエティーが向いてるかな」と背伸びしない賢さをみせた。

「女性の幸せは絶対につかみたい」と明るく結婚願望を口にした。「恐れ多いのか、追いかけても(男性は)みんな逃げてしまう、なんとか捕まえたい」と屈託ないが、過去に何度もアタックしてふられたというエピソードが話題を呼んだこともあった。「持てない女」を演出するのも聡明な証拠だ。

 吉田の退場後、花束を渡した母・幸代さんは次男の栄利さんと会見した。「霊長類最強」という形容について「ゴリラみたいで、一応、娘は女なんで……」と語り会場を笑わせた。栄利さんは「嫌いだったレスリングが妹のおかげで好きになれた」と話した。子供たちに厳しいレスリング指導を課してきた亡き父栄勝さんも、こんな家族の姿に天国で微笑んだはずだ。

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