レオパレス、組織的に施工不良を主導し“犯罪的”…もっとも引越し困難な時期に退去要請

レオパレス21(写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ)

 またレオパレス21で新たな問題が発覚した。昨年5月に「界壁」の問題が公表された際、「来年6月まで、およそ1年をかけて3万7853棟のアパートを調査し、不備があれば改修する」としていた結果、今回の新たな問題の公表につながっている。

 2月7日、レオパレスは同社が施工したアパートについて、新たな施工不良が発覚したと発表した。これまでに公表された内容をまとめると、以下のようなものだ。

・施工に問題があるとされたのは、1996~2001年に着工した物件。
・建築基準法が定める耐火基準に反し、外壁の内部にグラスウールではなく耐火性能の劣る発泡ウレタンを使用した…対象の物件は925棟
・天井材を二重に張るべきところを一重としていた…同641棟
・昨年5月では206棟の物件で「未設置」、あるいは「設置範囲が不十分」とされた天井の界壁とは別に、部屋と部屋を仕切る壁部分の「界壁」に同法の仕様と異なる材料を使用し、遮音性能を満たしていなかった…同771棟

 これが建物にかかわる施工不良であり、今回問題となった点だ。これにより影響を受けた物件数や入居者の数は、次の通り。

 建築基準法に違反する疑いがあるとされた物件は、33都府県で124棟、計1万4443人が入居しており、このうち早急に改修が必要な天井の補修工事を伴う641棟の7782人には退去を要請する。引越にかかる費用は同社が全額負担するとしている。最終的には、ほかの施工不良が確認された残りの入居者約7000人にも退去要請することになる。

 筆者は昨年5月の問題発覚の際、レオパレスが界壁の施工不良問題に関し、6月4日付記事『レオパレス、異常な確率で欠陥物件、人命を脅かす瑕疵も…一方的契約解除で訴訟続出』において、界壁以外にも問題があるのではないかと憂慮していたが、それが現実のものとなってしまった。

レオパレスの不誠実な対応

 今回の問題についても、同社の真摯な姿勢が感じられない対応が目立つ。誰もがすぐに至る考えだと思うが、「なぜ、この時期に退去を要請するのか」ということだ。まして同社は不動産を扱う企業でもあり、特に賃貸業を生業としているのだから、年間でもっとも人が移動するこの時期が、いかに移転しにくいかわかっているはずである。もし、わかっていなければ、その時点でこの事業者として失格だ。そんな同社が、この時期に、入居者に対して退去要請するというのは、真摯な対応と呼べるべくもない。

 実際、テレビ報道や各種メディアでも引っ越し業者へのインタビューなどで、各社とも1万人規模の移動には対応できないと答えている。

 以前の記事でも同じこと書いたので繰り返しになってしまうが、問題が発覚したことで、精神的・肉体的な苦痛をもっとも強いられるのは入居者だ。本当に入居者のことを考え、迷惑をかけたことを反省する気持ちがあるなら、もっと早くに対応できたはずだ。

 たとえば、一斉に退去要請するのではなく、施工不良が発覚した順にでも対応を始めていれば、昨年の秋など繁忙期を避けて移転できた入居者も多数いただろう。施工不良の全体を把握できるまで、そして公表できる状況になるまで入居者への対応を控えていたのは、あくまでも同社の都合であり、入居者への配慮がまったくないことの表れだ。「昨年5月に発覚した調査を進めたところ施工不良が判明したため、必要な入居者へは順次退去要請を行っている、全体の状況については調査が完了次第公表する」といった発表をすればいいだけだ。入居者のことを考えているなら、何もこの時期まで退去要請を行うことを待つ必要はない。

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