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レオパレス、組織的に施工不良を主導し“犯罪的”…もっとも引越し困難な時期に退去要請

文=小林紘士/不動産ジャーナリスト
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連綿と続くレオパレスの“顧客不在”経営

 今回も、これまでと何も変わらない同社の“顧客不在”の経営スタンスが今回も露呈した。仮に経営陣を刷新したところで、企業体質が変わるのかも疑問が残る。問題のあった物件が建設された二十数年前と、今の経営陣の発想が同じにしか見えない。ということは、レオパレスという企業のDNAがそうさせていると思われても仕方がないのではないか。

 また、もうひとつ、同社は顧客ばかりでなく現場や末端の従業員に対する意識も不在だということを挙げておこう。

 実は、筆者が前回同社の界壁に問題が発覚したことを言及した際、同社の従業員という方からメールがあった。名前もなく、メール発信も個人のもので、果たして本当に同社の社員かという点に確証はないが、メールの内容は特にエアコン自動停止の問題について、実に具体的で現場にいなければわからないと思われる内容が書かれていた。具体的な文面を紹介することは避けるが、そこでは内部事情として現場と経営陣との意識の乖離が顕著に書かれていた。

 たとえば、(エアコンのリモコン交換について)「対応する」とレオパレスは公表したが、現場ではそんな方針は聞いたことがなかった。部署の責任者が誰かによって顧客への対応が変わる。経営層に言っても無駄だという意識がある。経営陣にお客様志向はなく、上司は経営層のご機嫌だけをうかがう組織。現場では顧客のために何とかしたいと思っても、会社の決まりというしかなった。現場のことがわからない会社だと現場のモチベーションは下がり続けている。

 まとめれば、こういう内容だった。これらは、同社に限ったことではなく、大きな組織ではよく起こる「大企業病」の代表的なものだ。しかし、すでに順法性に問題があり、顧客が精神的、物理的に被害を被ったのであれば、経営陣の刷新とともに企業体質の改善を図るしかない。そして、特に現場の声に耳を傾けられるような組織に再構築するしかない。もっとも、それが簡単にできるなら、こうはなっていないのかもしれない。

 最後に、まだ問題はほかにも隠されている気がしてならない。果たして1996年から2001年までの物件だけなのだろうか。大企業病に陥って長いなら、2001年以降の物件にも、なんらかの問題があってもおかしくない。逆に、この5年間だけの物件だけというのを信じるほうが難しい。ここまで来てしまうと、同社のアパートについて、オーナーは自ら調査するなど自己防衛策を行う必要があるのかもしれない。
(文=小林紘士/不動産ジャーナリスト)

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