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有馬賢治「今さら聞けないマーケティング 基礎の基礎講座」

トヨタ「スープラ」、17年ぶり“復活商法”の裏にしたたかな戦略

解説=有馬賢治/立教大学経営学部教授、構成=武松佑季
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――なぜ今なのでしょうか。

有馬 電気自動車が普及する流れのなかで、ガソリンエンジン中心の自動車メーカーは存亡をかける時期が迫っています。スープラで自動車としての技術力を消費者に認めてもらえるのであれば、たとえ街を走る自動車の大半が電気自動車になったとしても、スポーティで高品質な自動車を求める顧客に対して自社内での買い替えを促しやすくなります。さらに、先端技術が盛り込まれたスポーツカーのラインがメーカー内にあると、その技術力のイメージが他の車種へ波及するという効果が期待できるというわけです。

復活商法は当時と新規、両ファンに受け入れられる可能性あり

――車種を復活させる意味とは?

有馬 それは新たな車名よりも、すでにプレミアムな価値のついた車名のほうが販売前から話題になりやすいからです。また、「復活」と銘打てることで企業が広告する以上の浸透度が期待でき、ニュース的な価値を生じさせることができます。

――「復活商法」と呼べそうですね。

有馬 これも比較的ポピュラーですよね。車に限らず、ナイキのエアマックスやG-SHOCKの過去の人気モデルが復刻されることは珍しくないと思いますが、これらは発売当時のファンだけでなく、後年その魅力を知った若い層や、話題性で手に入れたいと思う層にも受け入れられるため、高い需要が見込めます。

――そこからリバイバルが起こる可能性もあります。

有馬 はい。最近の例ではロックバンド、クイーンのドキュメンタリー映画『ボヘミアン・ラプソディ』をあげることができるでしょう。本作は大ブームになっていますが、これも当時のファンに加えて、リアルタイムを知らない若い世代にも受け入れられたことで、映画の観客動員だけでなく、CDの売り上げにも影響を与えています。まさに復活商法による再評価といっていいのではないでしょうか。

――ありがとうございました。
(解説=有馬賢治/立教大学経営学部教授、構成=武松佑季)

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