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総務省の人口統計データでも実態と大幅乖離…一部の市、大幅な“転出超過”に

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 総務省のデータは、あくまで国内での移動(転入・転出)の数字。それは報告書にも書かれている。小山市には民間の外国人研修センターがあり、海外から入国して、その施設に入るケースが多い。

「この場合だと、転入者数にカウントされません。センターで研修を受けた外国の方が数か月後には全国各地に転出していくのですが、こちらは転出者としてカウントされます。そのため大幅な転出超過という結果になったわけです」(小山市の担当者)

表やデータだけ見ていてはわからない、生の実態だ。政府統計の信頼性が揺らいでいるが、報告書の注意書きの裏側まで読み解かないと実相が見えてこないということだ。

日本人の転出超過1位の長崎市は「人口ダム機能」が働かず

人口流出が止まらない長崎市

 日本人のみの人口流出で1位となった長崎市のケースを見てみよう。長崎は県全体が日本人のみだと6311人の転出超過で全国6位、県庁所在地で中枢中核都市にも選定された長崎市は2376人で、市町村レベルで最多となってしまった。

 総務省は2010年から「転出超過数」の上位20自治体を公表しているが、長崎市はこのところ10位以内の常連だった。そして今回、北九州市を抜いてとうとう不名誉な1位になってしまった。

 地元のメディアは「非常に深刻にとらえている。今後、子育てしやすい環境づくりや、多様な働く場所の提供といった取り組みを進めていく」とした田上富久市長のコメントを伝えている。

 県庁所在地でありながら、なぜ人口流出に歯止めがかからないのか。

「地方の県庁所在地の人口は30万人から40万人程度で、行政関連施設、企業、教育機関、医療機関、メディアなどが集積している。本来ならば、県内各地の市町村から就職や進学の受け皿となる“人口ダム機能”が働かなくてはならない。札幌市はその典型です。道内からどんどん札幌に集まってくる。ところが、長崎市はその機能が働いていない。三菱重工業の長崎造船所もパッとしないし、市内に若者が働きたい職場が少ない、空港から遠いことなども関係しているのではないか」(前出の経済ジャーナリスト)

 県庁所在地や中枢中核都市までもが人口流出に歯止めがかからない、深刻な実態が明らかになった。

 地方創生は、掛け声や机上のプランだけでは少しも事態が好転しない。平成が終わり、新たな時代となるなかで、どのような解決策があるのだろうか。
(文=山田稔/ジャーナリスト)

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