外国人を含む人口流出と、日本人のみの人口流出の上位を見てみよう。
【外国人を含む人口流出上位】
・小山市(栃木県):3280人
・取手市(茨城県):2514人
・長崎市(長崎県):2484人 ※
・神戸市(兵庫県):2331人 ※
・成田市(千葉県):2246人
・羽島市(岐阜県):2221人
・北九州市(福岡県):2202人 ※
・岬町(大阪府):2040人
・古河市(茨城県):2014人
・福山市(広島県):1998人 ※
【日本人のみの転出超の上位】
・長崎市(長崎県):2376人 ※
・北九州市(福岡県):1674人 ※
・那覇市(沖縄県):1636人 ※
・堺市(大阪府):1522人 ※
・神戸市(兵庫県):1520人 ※
・寝屋川市(大阪府):1447人
・横須賀市(神奈川県):1352人
・函館市(北海道):1341人 ※
・浜松市(静岡県):1291人 ※
・八戸市(青森県):1269人 ※
※は中枢中核都市
「外国人を含む」と「日本人だけ」の両方に登場するのは長崎市、神戸市、北九州市だけ。日本人の人口が減っている上位の那覇、寝屋川、函館、浜松、八戸の各市は、外国人を含む上位20都市にも登場する。つまり、これら8都市は日本人も外国人も転出者が多いということだ。
意外なのは、人口流出の上位に政令指定都市や県庁所在地が多く含まれていることだ。政府は昨年12月、中枢中核都市82都市を公表したが、今回の転出超過データ(「外国人を含む」と「日本人だけ」の両方)を見ると、実に9都市が含まれている。人口流出が地方の小都市だけではないことを如実に示す結果となった。
転入直後の転出はカウントする矛盾
人口流出の上位自治体のデータを分析して、気になる点があった。
外国人を含む人口流出で1位となっている栃木県小山市は、日本人のみの人口減では上位20位に登場しない。外国人の転出者の比率が高いのかと思い、小山市のホームページで人口の推移、外国人登録者数の推移をチェックしてみた。2018年の人口は1月が16万7410人で12月が16万7516人で106人増。外国人登録者数は1月が6512人で12月は6659人。こちらも147人増加した。人口も外国人登録者数も増えているのに、なぜ3280人もの転出超過となっているのか。
小山市に問い合わせてみたところ、市の担当者も総務省の報告書が発表された直後は意外な結果に驚いたという。改めて調べてみたところ、次のようなカラクリが判明したそうだ。