2月4日、NHKは「森友学園問題 立民・共産の議員の発言に工事業者反論」と偏向報道ともいえる放送を行った。3月22日、市民団体「森友 ごみ問題を考える会」(加藤弘吉共同代表)は放送法第7条に基づき、NHKに苦情処理を提出し、NHKの担当者は速やかに返答する旨を約束した。また、検察審査会は3月29日、大阪地検特捜部が昨年告発されていた38名全員を不起訴にした件で、「不起訴不当」の判断を示したが、この問題は次回詳細に報告する。
今回は、NHKが偏向報道を行った際、その根拠としていた工事業者が森友問題の陰の主役だったことを報告する。
問題となっている試掘写真資料が、国有地売却における8億円値引きの唯一の写真資料だっただけに、国有財産の不法な払い下げを行った担当職員の背任罪の立証に進みつつある。安倍晋三首相は、「私や妻が森友問題に関与していれば議員を辞める」と言い、その後、「贈収賄など不法行為に関与していれば議員を辞める」と言い換えたが、今回の写真偽装は、安倍首相の進退を問う案件である。
これまでも、現政権を忖度する勢力が政権擁護に動くことが数々あったが、NHKまでもが野党を中傷するような政治的公正性を欠いた偏向放送を行った。実際、NHKは2月28日に統計データの不正操作をめぐり根本匠厚労相の不信任決議案の主旨説明を小川淳也衆院議員(立憲民主党)が行った件について、悪質な編集によって小川議員が反対のための反対意見を述べているように報じた。
森友問題にしろ統計データにしろ、問われていた核心点を、最初から事実に基づいて報道するつもりはなかったのであろう。森友の試掘写真偽装問題は、8億円値引きの唯一の根拠資料であったため、その偽装は、国有財産をただ同然で売却した関連省庁の担当者の背任罪を浮き彫りにする出来事であった。また、統計データの不正は、GDPのかさ上げやアベノミクスによる賃上げという虚構を明らかにし、本来なら野党による不信任案提出は大きく報道され、国民の共感を得るものであろう。