ミーティングや商談、交渉の場で、自分が不利な立場に立たされたり、予定通りに物語が進まなくなったりしたときに、どのように事態を打開すればいいのだろうか。
その一つの手として「はったり」がある。
『武器としてのはったり』(自由国民社刊)の著者である黒川裕二郎氏は、中国、東南アジアで18年にわたり働いている間、さんざん騙されてきた。しかし、そうした不利な状況を「はったり」で打開してきたという。
では、「はったり」はなぜ使うべきなのか? なぜ「はったる」必要があるのか? その理由は3つあるという。
1.はったれば、相手がひるんで、自分が優位に立てるから
これは外国人が必ずやる手だ。「和を尊し」とする日本人は、威嚇や威圧を真似する必要はないが、「はったり」くらいはやらないとやられっぱなしになってしまう。
2.はったることで、自分を鼓舞することができるから
前向きに考えるためにも「はったり」が必要だ。スポーツ選手でも、経営者でも、誰でも使う手法の一つである。
3.そもそも自分に自信がないので、もしくは、自分の力の無さを自覚しており、これでは相手に勝てないので、はったって多少でも不足分を補う
実はほとんどの人のパターンが、これに当てはまる。弱い自分をできる限り強く見せて、「はったり」をかます相手を「はったり」で蹴散らさないといけない。なぜなら「とにかく、損をしてしまう」「いつもお金を払わされる側で終わってしまう」からだ。
黒川氏はこの「はったり」を駆使して、外国人との交渉を成功させてきた。
とはいえ、急に「はったる」ことは難しいだろう。そこで、まずはとにかく行動してみることが大事だ。
黒川氏がすすめているのは、「Take Action」と毎日通勤前に7回声に出して言うこと。頭の中で考えるのではなく、自分の口で言って、それを自分の耳で聞く。そして、紙にも「行動しよう」「Take Action」と書いて、目で見る。7回以上聞くと潜在意識に残り、自然と行動するようになるという。
また、「はったり」は人間力を出すことが大事になると黒川氏。
自分の生き方や生き様を「はったり」として表現すると、はったり力も増す。一方、人間力が伴わない「はったり」は、下衆に見えてしまう。自分の品性、品格で勝負することが重要だ。
大事な商談やミーティングで、相手にやり込まれないためにも、自分が優位に交渉できるように「はったり」を使うのも一つの武器となる。本書から「はったり」の術を学んでみてはどうだろう。
(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。