NEW
鈴木貴博「経済を読む目玉」

大企業の間で、今年か来年の“リーマンショック級経済危機”到来への警戒高まる

文=鈴木貴博/百年コンサルティング代表取締役

 それらの事態と比べると、今、私たちの目の前にある「リーマンショックの再来の危機」というべきものには、同じような火種は目に見えるかたちでは存在していません。起きる可能性があることはむしろ大きな経済停滞であり、これはリーマンショックのような破壊的な恐慌ではなく、5年から10年の間に1~2回起きるような周期的な不況で終わる可能性も小さくはない。恐慌は起きないかもしれないというのが今回のケースの特徴ではあります。

 とはいえ、火種はひとつ存在します。それは先進国の株式市場の価格がかつてないレベルにまで高騰しているという事実。そして、日本の場合は東京オリンピックに向けて首都圏の不動産価格がかつてないレベルにまで上昇しているという事実です。株価と不動産価格の上昇が経済成長の背景にある以上、それらが価格崩壊すれば少なくない投資家たちが巨大なダメージをうけ、それに応じて相応の不良債権が出現するはずです。

 冒頭に申し上げたように経営コンサルタントとしての守秘義務がからんでくるので、大企業側の情報についてはあまりお伝えすることはできないのですが、私が大企業にどのようにアドバイスしているかはお伝えすることができます。それは、

「リーマンショックの3分の1ぐらいのインパクトのクラッシュがきても大丈夫なように備えておきましょう」

というアドバイスです。

 何かが起きる可能性は小さくないが、その規模は過剰に想定するほどのことではないのではないかという分析です。あくまでひとつの見識として聞いていただきたいのですが、2008年頃の不気味な状況と比べると、そこまでの不安材料はないようにみえるというのが現時点での状況ではあります。

経済の教科書には書いていない事態も

 ただもうひとつ、読者である皆さんに対しては別のアドバイスがあります。それは今のままだといずれ、これからの10年の単位でみれば、どこかでもっと大きなクラッシュがやってくる可能性があるということです。

 最大の懸念材料は国の借金の増加です。日本の借金が過去最大の1100兆円になったというニュースがありますが、今後、高齢化社会がさらに進んでいけば、医療費の問題や年金の負担で国家財政がさらに悪化するのは必定です。

RANKING

23:30更新
  • 連載
  • ビジネス
  • 総合