前回、日本は中国産食品添加物を大量に輸入し使用しているため、それらが私たちの口に日常的に入っていることについて説明しましたが、中国からは添加物に限らず大量の食品を輸入しています。それらには当然、中国産添加物が使用されています。添加物については原産国の表示はしなくてもよいことになっており、心配な人は中国産だとわかる食品の購入を控えればよいのです。
しかし、たとえば中国で生産された煎餅を大量に輸入した日本の企業A社が、200gずつ袋に入れて販売する場合、袋にはA社の名前だけを書いておけばよいので、その袋に書いてある内容をすべて読んでも中国産とはわかりません。このような事態を改めるには法律を改正するしかないのですが、そのような動きはありません。消費者団体も沈黙したままです。
中国政府も食品の安全性確保に真剣に取り組んでいるでしょうが、日本と違い広大な国土と膨大な人口を抱えており、なかなか政府の思うようには進まないのが実情です。中国は日本の食品衛生に関する法令、知識を取り入れていますが、これはやめたほうがよいと思います。中国には、日本以上に国民のためになる食品行政を進めてほしいものです。
冷凍食品、お菓子類、むき栗のレトルト品など、多種多様な中国産の加工食品が日本に大量に輸入されています。日本に輸入されている中国産加工食品の問題点について考えてみましょう。
当然のことですが、原材料である穀物類、野菜類、魚介類はほとんどが中国産です。これらの原材料については農薬汚染、中国産ウナギで問題になった有害な抗菌剤の汚染、2008年に汚染米事件で有名になった発がん性のあるカビ毒(肝臓がんを起こすアフラトキシン)などの不安が払拭できません。
水の問題
食品の製造には水は欠かせません。中国では工場排水がそのまま河川に垂れ流されています。このことは皆様もテレビなどでご存知ではないでしょうか。また牛、豚などの家畜の糞尿も河川に垂れ流されています。食品製造の現場で、これらの水によって食材が洗浄されている可能性もあります。
中国で製造される加工食品には当然、中国産添加物が使用されます。前述のように今や中国ではあらゆる添加物が製造されています。このようにして原材料、水、添加物、包装材料まで中国産のものでつくられた食品が輸出されます。
ここで、改めて中国産加工食品の輸入状況を示しておきます。
輸入届出件数と検査件数にはかなりの開きがあります。ほとんどが検査されていないのです。農薬まみれの上に中国産添加物まみれの多種多様な食品が輸入されていることは、よく認識しておいてください。食品の表示を見てもわからないことも多いです。少しでも安全なものを口にしたいならば、国産の野菜、穀物などを購入し、添加物不使用の調味料を使って自宅で調理したものを食べることです。外食や加工食品の購入を大幅に減らせばよいのです。また、信頼できる無添加食品を利用するのもよいでしょう。
(文=小薮浩二郎/食品メーカー顧問)