黒田尚子「『足るを知る』のマネー学」

かんぽ生命、契約者向け「不適切販売チェックリスト」…即解約や郵便局員の説明鵜呑みNG

郵便局の店舗(写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ)

 

 かんぽ生命不適切販売問題。前編では、この問題の経緯や不適切とされた主な事例をご紹介したが、後編では、かんぽ生命が取り扱っている主な商品や特徴、不適切な契約を見極めるポイントをご紹介しよう。

かんぽ生命の主力商品は、「養老保険」「終身保険」

 では、かんぽ生命は、もともとどのような保険商品を扱っているのか? 以下の図表は、2017年度の新契約の商品構成である。

*出所:かんぽ生命「かんぽ生命の現状2018」

 

 主に取り扱っているのが養老保険、終身保険、学資保険といった、いわゆる貯蓄性保険商品ばかり。このうち、最も高い割合を占めるのが「普通養老保険」(28.7%)だ。

 養老保険とは、生命保険のうち、一定の保障期間を定めたもので、満期時に死亡保険金と同額の満期保険金が支払われる。要は、亡くなっても、生きていても、必ず保険金が受け取れるため、終身保険や定期保険と比べると、保険料が最も割高となる。

 同社の「普通養老保険」は死亡保険金と満期保険金が同額のもので、かつて「はあとふるプラン」(2002年6月30日に販売中止)として簡易保険の主力商品となっていた。現在では「新フリープラン」として販売されている。

 一方、「特別養老保険」(19.1%)は養老保険に定期保険が付いている定期保険付養老保険のこと。死亡保険金と満期保険金の倍率の違いによって、「2倍保障型」「5倍保障型」「10倍保障型」がある。ペットネームは普通養老保険と同じ「新フリープラン」。死亡保障があるため、加入年齢は普通養老保険が0歳からだが、特別養老保険は15歳からと保障のニーズ等が異なる。

 そして終身保険は、いわゆる「新ながいきくん」というペットネームで親しまれているもの。「普通終身保険」は、保険契約の払込期間満了後に、それまでの保障が一定額減額される「倍型」(20.9%)(「ばらんす型2倍」「ばらんす型5倍」)と保険契約から同額の死亡保障が一生続く「定額型」(16.3%)がある。

「特別終身保険」(7.1%)は、「おたのしみ型」という愛称の通り、保険料払込期間満了時とその後5年ごとに生存保険金(一時金)を受け取ることができるものだ。

黒田尚子/ファイナンシャル・プランナー

 1969年富山県富山市生まれ。立命館大学法学部卒業後、1992年、株式会社日本総合研究所に入社。在職中に、FP資格を取得し、1997年同社退社。翌年、独立系FPとして転身を図る。2009年末に乳がん告知を受け、自らの体験から、がんなど病気に対する経済的備えの重要性を訴える活動を行うほか、老後・介護・消費者問題にも注力。聖路加国際病院のがん経験者向けプロジェクト「おさいふリング」のファシリテーター、NPO法人キャンサーネットジャパン・アドバイザリーボード(外部評価委員会)メンバー、NPO法人がんと暮らしを考える会理事なども務める。著書に「がんとお金の本」、「がんとわたしノート」(Bkc)、「がんとお金の真実(リアル)」(セールス手帖社)、「50代からのお金のはなし」(プレジデント社)、「入院・介護「はじめて」ガイド」(主婦の友社)(共同監修)など。近著は「親の介護とお金が心配です」(主婦の友社)(監修)(6月21日発売)
https://www.naoko-kuroda.com/

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