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『グランメゾン東京』が圧倒的に面白い…木村拓哉のSMAP解散騒動からの復活と重なる

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『グランメゾン東京』は木村の今後の試金石になる

グランメゾン東京』の主人公である尾花は、圧倒的な人気を誇りSMAP人気を支えてきた頃の木村と同質の傲慢さを持っている人物だ。かつて不快な思いをしてきた人たちから、かつての傲慢さを指摘されるが、耐えるだけで「日本の恥」といった自虐の言葉すら口にする。これは謝罪会見後のバッシングと、その後、木村がほとんど沈黙してしまったことをなぞらえているのだろう。

 11月3日までに『グランメゾン東京』は第3話まで放送されているが、視聴率は12.4%、13.2%、11.8%と、なんとか2桁を維持している。現在の「TBS日曜劇場」の枠としては、“まあまあ”といったところだろうか。ただ、高級レストランを舞台にしているうえに、フランスロケもあったので、予算は通常よりかかっていると報じられている。また、通常であれば主役・準主役をこなせる鈴木京香、及川光博、沢村一樹などが共演している。制作側の力の入れ方からすると、まだまだ期待には達していない数字ではあるだろう。

 これまで木村が演じた役は、“タレント・木村拓哉”のイメージに合わせられてきた。そのため、しばしば「何をやってもキムタク」と揶揄されるが、制作者側が、そして揶揄する側の視聴者ですら、それを求めていた結果にすぎない。だから、「木村=かっこいい」というイメージが固定化されている間は、制作側は「どうやって木村をかっこよく見せるか」に腐心すればヒットが約束されていた。

 だが、今の木村は、その方程式だけでは受け入れられなくなっている。「木村をかっこよく見せているだけのドラマ」の需要はなくなったと考えるべきだろう。

 だが、木村が「かつて傲慢で鼻持ちならなかったシェフ」という役回りを受け入れたことで、このドラマは従来の木村のドラマにあった「いかにキムタクをかっこよく見せるか」という枠を脱して、新たな木村像を描くのに成功している。

 ただし、問題は木村が「傲慢でかっこ悪い自分」を本当の意味で受け入れられたかどうかにある。もし彼が「こんな役も演じられますよ」といった気持ちでやっているなら、多くの視聴者に見透かされて、木村の完全復活は遠のくだろう。

 また、ドラマのなかで、尾花の失態が実は誰かが仕組んだ罠であったとすることは、おそらく間違いだろう。そこで「尾花は正しかった」となって「かっこいいだけのキムタク」に戻してしまうと、せっかくの新たな木村の可能性を台無しにすることもないとは言えない。

 反対に、「傲慢でかっこ悪いなりに、かっこよく演じる」という新たなスタイルを獲得し、そんな木村に視聴者が共鳴することができれば、今後は面白い展開ができるはずだ。このドラマはその試金石として、木村の今後にとっても重要なものになるだろう。
(文=白川司/ジャーナリスト、翻訳家)

白川司(しらかわ・つかさ) 国際政治評論家・翻訳家。世界情勢からアイドル論まで幅広いフィールドで活躍。最新刊に『議論の掟』(ワック刊)、翻訳書に『クリエイティブ・シンキング入門』(ディスカヴァー・トゥエンティワン刊)ほか。「月刊WiLL」(ワック)、「経済界」(経済界)などで連載中。

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