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セルフプロデュースで会社設立のギャルモデルが目指す地平【前編】

18歳の“白ギャルモデル”伊藤桃々が、年商100億を目指しコスメで起業したワケ

取材・構成=有馬ゆえ
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2019年5月に発売された雑誌「egg」復刊号。写真右が伊藤桃々。

 伊藤桃々(もも)は、今もっとも勢いのある18歳の“白ギャルモデル”だ。2018年、“復刊”が話題となったギャル雑誌「egg」ウェブ版でデビュー。2019年5月に正式復活した雑誌版「egg」(MRA)ではいきなり表紙を飾り、恋愛リアリティ番組『太陽とオオカミくんには騙されない』(AbemaTV)で全国のJKから支持される存在に。最近はテレビのバラエティ番組に出演したり、青年誌のグラビアで表紙を飾ったりと、さらに活躍の幅を拡大しているのだ。

 彼女の魅力のひとつが、ギャルらしからぬ“ビジネス戦略”だ。自らを冷静に見つめ、緻密にブランディングしていく姿は、ひとりののマーケターのよう。ビジネスジャーナルの【過去のインタビュー】でも、単なる女子高生バイトの立場にあるもかかわらず、勤務先のチェーン店系ラーメン屋を全国の販売コンテストで優勝に導き、さらに賃上げ交渉をしたなどのエピソードを紹介してくれた。

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「More..Mi by momo」の「Mi」は伊藤桃々のイニシャルと「me」のダブルミーニング。「今以上にもっとかわいく」という意味が込められているという。

 2019年9月、そんな伊藤がオリジナルコスメブランド「More..Mi by momo」をスタート。第一弾商品「シャイニーリップグロス」は、色だけでなく成分まで指定し、納得するまで何度も改善を求めたこだわりの商品だ。

 また同時に彼女は、同ブランドのために設立された株式会社Mtheadで課長に就任。今後は、社長を目指していくのだという。「目標は年商100億」と話す彼女は、自身のブランドをどのように展開、成長させていくつもりなのだろうか?

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伊藤桃々(いとう・もも)
2000年12月16日、静岡県生まれ。2018年、ウェブ版「egg」のモデルとしてデビュー。若年層に大人気のリアリティ恋愛番組『太陽とオオカミくんには騙されない』(AbemaTV)シーズン4に出演。Instagramフォロワー約35万、TikTokのフォロワー約44万を誇る。趣味はメイク、アニメ。中学校時の部活はバスケ部。

「女社長になりたい」からコスメブランド設立

 女性タレントによる“商品プロデュース”自体は、決して珍しいことではない。ただし、それが「商品販売のための会社を設立」して「コスメのオリジナルブランドをプロデュース」するとなると、なかなかのレアケースとなるだろう。しかし彼女は、そのレアケースになることをみずから選んだのだ。

「『egg』で表紙も取れたし、もっと頑張れることに挑戦したいなと思ったんです。もともと女社長ってものになってみたかったし、コスメも大好きだったし。ファッション系のブランドを立ち上げるモデルさんはほかにもいるけど、コスメはあんまりないから」

 彼女のそうした思いを聞いたマネージャーが、所属事務所の20周年新事業として伊藤桃々のブランド立ち上げを社長へ提案。果たして、自身が所属するプラチナムプロダクションの子会社として株式会社Mtheadが設立される運びとなった。

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「egg」のYouTubeチャンネルで公開された「伊藤桃々の毎日メイク 整形級の変化に驚くな!w」が好評だったことも後押しとなったという。(2019年11月1日現在、約127万回再生)

ドンキで買って、ググって、大人たちに指示を出す

 商品開発は、「最初はやっぱりリップかなって」という伊藤の一言から始まった。

「自分をかわいくするための第一歩って、リップからって子が多いじゃないですか。小学生からメンソレータムの色つきリップみたいなものを使う子もいますよね。そこで、『唇がちょっと赤くなるだけで印象が変わって華やかになるんだ!』って発見したり」

 第一弾商品である「シャイニーリップグロス」は、シャイニークリア、ジューシーオレンジ、マニッシュピンク、ボルドリーレッドの全4色。見た目のうるおいとツヤ、発色の良さだけでなく、90%以上の保湿成分、数種の美容液成分など唇への優しさにもこだわっている。開発時の話を聞いて驚くのは、伊藤の決断力、リサーチ力、そして物怖じしない姿勢だ。

「色は、1日で決めました(笑)。100種類ぐらいの候補の中から。仕上がりも思い通りにしたかったから、成分も『これとこれとこれを入れたいです』って言ったんです。ただ私は、別にそっち系の資格を持っているわけじゃないから、ドンキで売ってるプチプラからデパコス(デパートコスメ)までたくさん買ってきて、自分の顔で試して。質感とか使った感じをケータイにメモして、成分表を見てGoogleで調べて、その希望を製造メーカーさんに伝えました」

 上がってきたテスターは、最低でも1週間は自分の顔でテストした。使い心地が悪ければ、「もっとねっとりしてください」「ちょっと水分が多すぎる」と改善を求める。「0から何かを考えるのはできない」と話すが、いまある「1」をブラッシュアップする能力には長けているのだろう。大人たちは青ざめながらも、彼女が納得するまで改良を続けた。

 普通の18歳なら専門家を前に躊躇してしまいそうなものだが、「(躊躇は)一切しなかったです」と平然と話す。「自分が使って満足ならいいんですよ。満足いかなかったから、やり直してもらっただけですね、普通に」。

 商品デザインにもこだわっている。シンプルかつ高級感を出すために、スクエア型を採用し、カラーリングはクリア×シルバーで統一。メイク直しで使う機会の多いアイテムなので、使って、持ち歩いてテンションがアガるのが重要なのだという。

「今でも、見るたびかわいいなと思います。それでいて1500円。安くないですか?(笑) 私のファンの人って、中学生とかメイク始めたての子もいるし、主婦の方もいる。中学生とかだったら安い方がいいし、大人は安いのもうれしいけど子どもっぽいのは使えないから、バッチリじゃないですかね!」

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目標は年商100億円

 9月に発売した伊藤桃々のコスメブランド「More..Mi by momo」。これまではネット販売が中心だったが、11月以降は全国のドン・キホーテや一部店舗を除くPLAZAなど74店舗まで販売網が拡大する。驚くことに、そうした大手小売チェーンで取り扱いの決め手となったのは、成分やデザイン性、価格など、まさに伊藤がこだわったポイントだったのだそう。

「私って天才なのかも(笑)。めちゃうれしいですね。グロスが苦手な子もいるし、実店舗で試してもらったほうが良さが伝わると思うし。これが100店舗になって、月1万個売れれば年商1億とかになりますかね?」

 12月には、ボディーミルクを1万個限定で発売。リップグロスとセットにしてクリスマスコフレとして販売する予定だ。「冬のめんどうなボディーケアで少しでも気分がアガるように」と、高級感のある香りを3種類ラインナップする。

「プチプラによくあるような安っぽい匂いは嫌で。最初、候補が20種類が挙がってきたんですが、全部ダメって言っちゃったんです。シュッシュッて嗅いでみて、全然パッととしないし、中学生のときにつけてたスプレーの匂いじゃん、みたいな。『全然魅力的じゃないから、こういう匂いがいい』って口で細かく伝えて、それぞれ2〜3回はやり直してもらいましたね」

 さらに、3月にはコントロールベース(化粧下地)4色を発売予定だ。その後は、「More..Mi by momo」をどう育てていきたいと考えているのだろうか。

「フルメイクできるぐらいラインナップをそろえて、落ち着いたら、春夏秋冬で色物を出していきたいですね。ほかのコスメブランドに追いついて、同じレベルに立ちたいです。益若つばささんのコスメブランド『キャンディドール』みたいに、私の名前を知らない人でもブランド名は知っているみたいになるのもいいなって。それってかっこいいし、コスメ自体の人気が出れば、タレントとして私が売れなくなっても死ぬことはないし(笑)」

 自身のブランドのために所属事務所の子会社が設立されたことについて「プレッシャーは軽く感じてます。大丈夫な気はしますけどね」と静かに話す伊藤。現在の肩書きは「課長」だが、今後は経営に深くコミットし、女社長を目指すという。

「勉強することが多すぎて不安ですけど……大人に任せずがんばります。まだ全然儲かってないので、販売店舗数を増やして、売り上げを上げて、ゆくゆくは年商100億を目指したいと思います」

【後編】では、そんな彼女がインスタグラムを主戦場に繰り広げている「More..Mi by momo」の“イマドキ販売戦略”について聞いていく。
(取材・構成=有馬ゆえ)

有馬ゆえ

有馬ゆえ

2007年からライター、編集者としてメディアや広告のコンテンツ制作に携わる。「ハフポスト日本版」「NewsPicks」「朝日新聞EduA」などでWEBメディアにて執筆中。

Twitter:@yuearima

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