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ZOZO、“増収増益”に隠れる憂慮すべき事態…セール依存で副作用、前澤氏の負の遺産

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ヤフーへのZOZO売却を発表した前澤友作氏(写真:日刊現代/アフロ)

 衣料品通販サイト「ゾゾタウン」を運営するZOZOの成長鈍化が鮮明だ。10月31日発表の2019年4~9月期の連結売上高は、前年同期比6.5%増の572億円と1桁の増収率にとどまった。18年4~9月期の増収率が25.9%だったので、伸びが大きく鈍化したことがわかる。以前は2桁の増収率が当たり前で、16年4~9月期には40%超を叩き出していた。しかし、今はそうした面影はない。ZOZOは明らかに失速している。

 商品取扱高は11.8%増の1579億円、営業利益は31.8%増の132億円、純利益は25.9%増の79億円だった。このように、利益は大きく伸びた。ただ、それは18年4~9月期が極端に悪かったため、その反動で伸びたにすぎない。18年4~9月期は、同年1月から販売を始めたプライベートブランド(PB)商品「ゾゾ」の販売が伸び悩んだ一方で、PBにかかる費用がかさんだためだ。

 こうした事情があるため、19年4~9月期が大幅増益だったことを手放しで歓迎することはできない。PB発売前の17年4~9月期と比べると営業利益は5億円少なく、純利益は16億円少ない水準だ。また、営業利益が商品取扱高に占める割合は8%。PBの失敗が直撃した18年4~9月期を除けば、それまで4~9月期ベースでは10%超えが続いていたので、収益性が大きく悪化していることがわかる。

 こうしたつまずきは、PBの失敗から始まった。ZOZOは当初、PBの注文で使う採寸用ボディースーツ「ゾゾスーツ」を無料で大量配布し、大きな話題を集めた。そうした状況からか、19年3月期にPB事業で200億円の売上高を実現するという大きな目標を掲げていた。しかし、蓋を開けてみれば売り上げは伸び悩み、19年3月期は27億円にとどまっている。配送に遅延が生じるなどトラブルに見舞われたほか、「着るのが面倒」といった理由でゾゾスーツを取り寄せるだけ取り寄せて実際には利用しない人が続出したためだ。

 PB事業の失敗が響き、19年3月期の連結純利益は前期比21%減と大きく減った。減益は07年の上場以来初となる。

ZOZOに立ちはだかる懸念材料

 こうしたゴタゴタが続くなか、今年9月に大きな動きを見せた。ポータルサイト大手のヤフー(現Zホールディングス)がZOZOを株式公開買い付け(TOB)で子会社化すると発表。これを機に、ZOZO創業者で同社株式の36.8%を保有する筆頭株主だった前澤友作氏が社長を退いた。前澤氏はTOBに応じて、大半の株式を売却する見込みだ。

 ZOZOは、ZHDの傘下に入れば「Yahoo!(ヤフー)」からの送客が見込める。これはZOZOの経営にプラスに働くだろう。ただ、その一方で懸念材料もあり、ZOZOには暗雲が立ち込めている。

 懸念材料とは「年間購入者数の伸びの鈍化」だ。少し前までは年間購入者数は右肩上がりで伸びていた。しかし、19年4~6月期に17四半期ぶりに減少に転じた。続く7~9月期の購入者数は4~6月期から10万人増え822万人となったが、伸び率はわずか1.3%にとどまっている。

 19年7~9月期の購入者数が増えたのは、10月の消費増税前に実施したセールが集客に寄与した面がある。ただ、セール販売の比率が上昇したことで平均商品単価が大きく低下するという副作用も生んでいる。平均商品単価の低下は収益性の低下につながるため、喜ばしいことではない。

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