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街から本屋が消えた…「書店ゼロ自治体」急増、セブンは“読みやすい”500円新書発売

文=山田稔/ジャーナリスト
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「Getty Images」より

 東京にいるとさほど不便さを感じないが、地方に行くとものすごく不便なことがある。書店探しもそのひとつである。全国各地で書店が次々と閉鎖に追い込まれ、書店がない自治体が増えている。

 街に書店が1軒もない自治体が増え、取次大手のまとめでは全国46都道府県、420の自治体、行政区にのぼるという。「書店ゼロ自治体」が多いのは、北海道、長野、福島、沖縄、奈良など。全国の約2割の自治体から書店が消えたということだ。日本出版インフラセンターの「都道府県別書店店舗数登録一覧表」(2019年6月19日)によると、全国の書店登録数は1万2803店舗(総登録数から海外分を差し引いた数字)。前年同月は1万3274店舗だったから、471店舗減少したことになる。10年前(09年)の1万7282店舗と比べると4479店、26%も減ったことになる。

 過去1年間の登録数の減少が多いのは、東京都(65)、大阪府(61)、愛知県(33)、福岡県(27)、兵庫県(25)、北海道(17)の順。人口が多くても書店数の減少に歯止めがかからない。アマゾンをはじめとするネット通販の攻勢や、その利便性に屈するかたちでリアルな書店が減り続けている。

入場料を取る書店も出現

 購入したい本が決まっている人にとって、アマゾンなどのネット通販は便利だ。スマホで注文すれば翌日には手元に届く。ネット上で著者のプロフィールや本の内容を確認したり、読者のレビューも見ることができる。だが、本好きの人には、リアルな書店でさまざまな書物を手に取り、お気に入りの一冊を見つける楽しみや喜びがある。じっくりと本選びができるようにカフェを併設したブックカフェが増えている。さらに、東京・六本木の「文喫」のように入場料を取る有料の書店まで登場している。

 書店という知の空間で自分の時間を過ごすというニーズが、まだまだあるということだ。

 リアルな書店ニーズがあるのに、現実はどんどん減少している。こうした状況のなかで、コンビニの書籍の扱いに関心が集まる。従来は雑誌売り場の片隅に申し訳程度に実用書や雑学本が置かれている程度だったが、様相が一変。書棚を設けて文芸書や話題本等を揃える店舗が増えている。書店との一体型のコンビニや、書籍の出版を本格的に手掛けるコンビニ企業も出てきた。

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