
ひと昔前の会社では飲みニケーションが当たり前だった
かつてのドラッグストアは今でいう「ブラック企業」で、シフトの時間以外にいろいろなことをやっていました。レジや接客で一日が終わった後、発注や商品補充が結局、時間外労働になってしまい、それが終わるまでは帰れませんでした。歯磨きのスタンディングチューブの向きがそろっていないと怒られていました。さらに、「薬剤師は給料泥棒だからその分働くように」と言われていました。それが終わったら、店長に「もつ煮行くぞ」と連行され、先輩社員たちともつ煮とビールで終電まで付き合わされていました。もちろん店長のおごりなのですが、酒の苦手なわたしには「苦行」としかいえませんでした。
そうはいっても先輩社員たちとの距離が縮まっていたのも事実でした。無資格者である先輩社員より薬剤師である私のほうが給料はもらっていたのですが、それでも先輩社員から古着やお菓子をもらったりして、たくさんお世話になりました。私はその後、調剤店舗に配属されて別々の道を歩むことになりました。
その先輩社員の結婚式に参列させてもらったのですが、宴という酒を飲まなくてはならない「苦行」が始まりました。その宴は3次会まで進みました。「明日仕事ですから」といっても「大丈夫、大丈夫!」と聞いてくれずビールが注がれるのでした。翌日は自分の予想通り頭が働かず、体も動かずついに「調剤過誤」(患者さんに間違った薬を渡すこと)をしてしまいました。もちろん宴の席のメンバーが責任を取ってくれるわけもなく、粛々とその後の対応に明け暮れるのでした。これ以降、私は酒対策を本気で考え実践し続けたのでした。
アルコールは肝臓に悪い
「アルコールは肝臓に悪い」のは有名です。このアルコールは解毒されるために肝臓に集まります。そこでアルコール脱水素酵素によりアセトアルデヒドができます。このアセトアルデヒドはアルデヒド脱水素酵素により酢酸に変わります。酢酸は筋肉や心臓に移行して、熱エネルギーをつくる経路の中に取り込まれます。そこで酢酸から熱エネルギーをつくり、その燃えカスが二酸化炭素と水になります。