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エガちゃん公式チャンネルの裏に「『ぷっ』すま」スタッフ…地上波→ネットの人材流出深刻

文=編集部
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何かと話題になった、山田孝之主演の『全裸監督』

 NetflixHuluAmazonプライムといった定額制の動画配信サービスが隆盛を極めつつある昨今、地上波テレビからネットへの“スタッフの流出”が止まらないという。

「今や地上波の連続ドラマや映画よりも、ネット配信ドラマの制作費のほうが大きい時代ですからね。『全裸監督』(Netflix)などは、1話あたりの制作費が1億円ともいわれています。当然スタッフに支払われるギャラも高くなり、その結果、地上波から人材がどんどん流出しているということです」(メディア関係者)

 地上波からネットへのスタッフ流出は、ドラマに限った話ではない。バラエティーのスタッフもまた、ネットへと活躍の場を移しているのだ。バラエティー番組に関わる構成作家A氏はこう話す。

「ドラマと同様にバラエティー番組でも、ネットのほうが制作費が高くなりつつありますね。地上波では街中で素人を捕まえるようなロケが多いのに、ネット番組ではサラッと海外ロケに行くこともある。ケンコバさんとくっきー!さんがエジプトに行った番組には驚きましたよ」

 その番組とは、NTTドコモが提供する「dTVチャンネル」内の「ひかりTVチャンネル+」で今年1月より配信開始された『ケンドーコバヤシ&野性爆弾くっきー! JoJoジャーニー』だ。ケンコバとくっきー!の2人が、マンガ『ジョジョの奇妙な冒険』(集英社)の舞台となった地を巡る旅番組で、実際にエジプトまで行ったのだ。

 dTVチャンネルは、ケーブルテレビのように複数の専門チャンネルをパソコンやスマホで見られるという有料サービス。番組表に沿ってリアルタイムで番組が配信されているものだが、番組によっては見逃し配信で配信後の番組を見ることもできる。

「dTVチャンネルは携帯キャリアであるNTTドコモが母体ということもあって、番組の制作費が潤沢なことが多いですね。当然、スタッフへのギャラも地上波よりも高いし、長年の慣行で実際の支払いサイクルもいい加減なこともあるテレビ業界に比べ、きちんきちんと支払ってくれるのが助かります。バラエティーのスタッフたちも最近では、“dTVの仕事がしたい”なんて話をしていることも(笑)」(A氏)

“アイデア泥棒”の地上波テレビ業界

 地上波の番組では、ときにギャラが支払われないようなことさえあるという。A氏が明かす。

「地上波の番組企画を考えてほしいということで、いくつかネタ出しをしたり、打ち合わせをしたりすることもあるんですが、特にギャラが支払われないままというケースも珍しくないんです。正式に仕事のオファーを受けたわけではないので当然なのかもしれないし、ノーギャラで協力しておくことで人脈もできて後々仕事をもらえるという側面もあるのは事実。でも、事実上のアイディア泥棒、タダ働きなのでは……と思ってしまうことがあるのも事実。

 一方ネット番組の場合、そういったことはほとんどない。最初から“番組1本〇〇万円でお願いします”という感じで事前にギャラを提示された上でオファーされることが多い。フリーランスの構成作家にしてみれば、きちんとギャラがもらえるかどうかは死活問題ですからね。確実にもらえるネットのほうに人材が流れていくのは、なおのこと仕方ないのではないかと思います」

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開設ひと月たらずでチャンネル登録者数150万人を超えた、江頭2:50のYouTubeチャンネル「エガちゃんねる」。

江頭2:50公式チャンネルを手掛ける『「ぷっ」すま』スタッフ

 また、昨今増加中のタレントが開設するYouTubeの公式チャンネルにおいて、実際の制作作業をこれまで地上波で仕事をしてきたスタッフが手掛けることが増えているという話もある。

「たとえば、今話題の江頭2:50さんのYouTubeチャンネルは、「『ぷっ』すま」で江頭さんと仕事をしてきたスタッフが動画を制作しています。また、若手芸人の公式チャンネルなどは、バラエティー番組を手掛けている構成作家が関わっていることも多いですね。ちょっと前のYouTubeであれば、ネット動画専門のスタッフが多かったのですが、今は別のメディアからネットに入ってきた人がかなり増えています。その影響もあってか、YouTubeの動画の編集傾向が、ちょっとずつ地上波っぽくなっているともいわれていますね」(前出・メディア関係者)

 スタッフも動画の内容も、どんどん垣根がなくなっている地上波とネット。もはや両者を分けて考えることこそが時代遅れなのかもしれない。

BusinessJournal編集部

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